あすなろ42号 | あすなろ囲碁静岡県連合会

あすなろ囲碁静岡県連合会

文化としての囲碁を愛し、囲碁による健全な子どもの育成と、囲碁の普及を目指す集まりです。

あすなろ                               2024 – 2 - 10

 囲碁文化を愛し、囲碁により、       あすなろ囲碁静岡県連合会  

健やかな子どもの笑顔と、            会長 (前 袋井市長) 原田 英之

 囲碁の普及を図る集まり         副会長 江面 雄次・相談役 中村 久男         事務局長 渡辺 浩

 囲碁宿伝 

前回のあすなろ誌で上記「囲碁宿伝」を、ロゴマークのように使用したいと提案しましたが、

日が経つに連れて、どうもしっくりきません。

  やはり横文字か、カタカナを使ったほうが現代的かなと、変な所で悩んでいます。

 会員の皆さんのご意見を是非お願いいたします。

 

1.      そんな甘ったるい悩みを吹き飛ばすかのように会員の静岡市清水の渡辺俊行さんから子どもへの囲碁普及」というメールが届きました。

 これについては、予てから「石影会子ども囲碁教室」という名称で実際に子どもたちを教えてきた俊行さんに、その苦労話を会員の皆さんに伝えてほしいと無理を承知で依頼してあったのが、今回届いたというわけです。

それでは早速皆さんにお届けします。

《子どもへ囲碁を普及する上で考えなくてはいけないことは何でしょうか?

それは技術を指導するのではなく、また子どもを強くしようということを考えるのではなく、子供に囲碁の楽しさを知ってもらうということです。

囲碁の楽しさがわかれば,子どもは遊び感覚で囲碁を楽しめるようになり勝つことの喜びを知

ることで技術の習得を自分なりに工夫するようになります。

技術を教えることを第一に考えてしまうと、難しいことでも教えようとしたり、子供が間違え

たところを直そうとして、指導者本位の指導になってしまいます。

  しかし、それで教わっている子供たちは楽しいのでしょうか?

  囲碁は入門した子どもにとってみれば、どんなものなのかまったく分からないのが当たり前です。  

 ルールなどを教わって行く中で石を取る楽しさを知り、仲間との対局で碁に勝つ喜びや負ける悔しさを知り、それならと相手に勝とうと努力するようになります。

指導者が一番考えなくてはいけないことは、囲碁を強くしてやろうとして教え過ぎないことだと思います。

 指導者は子どもがやる気を持てるよう導くことを一番に心がけるべきで、まだ自分からやる気の出ない子どもに教えようとすれば間違いなく子どもは囲碁を覚える気は失せてしまいます。

 私の教室では。

①    礼儀・マナーを教えます。

指導者や友達に対しての挨拶、姿勢、受け答えなどは囲碁を覚える上で欠かせないものだと

思います。

②    焦らず、我慢し、眼を瞑り (つぶる・つむる)

 指導者がやはり気を付けるのは、子どもの間違い、失敗の繰り返しなどということが、どうしても気になってしまったとしても、焦らないという我慢が大切です。

 これは子どもに指導するために指導者に

一番求められるスキルだと思います。

③    楽しんでもらう

結論としては、いろいろなことを通して、囲碁を楽しんでもらうことが一番なのですね。

囲碁が楽しいと思わなければ、誰も囲碁などやりませんから。

指導者は自分が子どもの頃、囲碁を始めた頃を指導の基準にしがちですが、今はゲームだ、

アニメだといろいろな楽しみがあるのですから、囲碁がつまらないと思ったら囲碁などやる

はずも無いいうことを理解しておく必要があります。

大人が面白いと思っても、それは子どもには伝わりません。

一人が囲碁などつまらないと思ってしまうと、周りの子どもも囲碁をやろうとは考えてくれ

ません。

指導者が一番に考えなくてはいけないことは、囲碁を教えることではなく、「囲碁は楽しい」

ということを知ってもらうことです。

囲碁が楽しくなれば技術などすぐに身に着きますから。》

 

以上、俊行さんは「囲碁宿伝」の最も中心の静岡市などの小学校を数多く攻略し、巡回が

滞り始めた危機を救ってくれた言わば立役者の一人と言えます。

数多くの実戦の中から紡ぎだされた今回のご意見は、これから子供を教えていく我々に一つの道筋を提示していただいたものと感謝いたします。

 

2.      こんな素晴らしいご意見の後、また嬉しいニュースが飛び込みました。

囲碁宿伝の21番目の「岡部宿」については前に勧誘中と報告いたしましたが、ここで「岡部宿」

の「朝比奈第一小学校」の村松校長先生より電話が入り、入門教室をお願いしたいというニユースでした

 開催日は2月の20日(火)で、9:15分より10:00・10:15分より11:00と二時間の授業をとの依頼で、対象は二年生11名です。

 また、もう一つお伝えすることがありました。

 それはこの小学校の塚田先生が今回の教室の担当と決まりましたが、塚田さんは子どものときにお父さんから囲碁を教わったということでした。

 年頭からのビックニュースです。

 なにしろ「あすなろ」が県下の小学校を一年間巡回して、数百人の先生と接触し、未だ囲碁を打つ先生は皆無だったので、今回は砂漠でダイヤモンドの話より驚きと、嬉しさとが、ごちゃまぜの感激を味わいました。

 何しろあすなろが三島をスタートして派生した悩みの一つ、フォローアップの問題が、ここでは一遍に解決したからです。

 

3.       ここでもう一つ嬉しいニュースがあります。

1月30日の静岡新聞が伝えた裾野市のニュースです。

「裾野市 部活動改革へ  「地域移行」軸  来年時に検討委」という見出しで、少子化を受け、裾野市

は中学校の部活動改革を始めた。指導を地域のスポーツや文化団体に委ねる「地域移行」を軸に、生徒がなる

べく希望する活動に参加できる環境づくりを目指す。

として、幅広い活動機会を確保するため、ダンスや囲碁、合唱、書道などの文化芸術活動は市文化協会の教

室に生徒の受け入れが可能か、調査している。

以上のように「あすなろ」が今まで中学校に接触していなかったのが、これでどうやら初めて中学校の部活

動に囲碁が加わることになります。

私達「あすなろ裾野教室」は31年に渡り東西公民館の囲碁講座をやってきましたが、小学生が中学に進学

すると、残念ながらほぼ100%の子どもが退会していました。

 今回の中学校の部活改革は、あすなろの生徒が退会せず残る切っ掛けになるわけで、あすなろ裾野の6人のボランティアの先生方の、長年に渉る努力の結果とも言えます。

 

4.       最後になりますが、私の真の親友、なんでも本当のことを教えてくれる「中山典之さん」に、この間、こう

言われました。

「あすなろ記事は何も面白くないね」と。

それで悔し紛れに考えた挙句、囲碁の読者に少しでも見ていただくためにと、とりあえず今回より勝手に囲碁川柳のいろはカルタを中山さんには内緒で載せてみます。

最初はやはり「あすなろ」を題材にしてみます。

まず「あ」の句ですね.        飽き(あき)もせず 大負け 子負けで 日が暮れる

                       (カラスの勝手だ  俺は帰るぞ)

次回は「す」の句を考えますが、つづいて「な」「ろ」と続きますので 会員の皆さんも何か気が付いたら是

非お知らせ願いたいと思います。

                                     以上