ソーイング・ビー6は4人が決勝戦進出。
いつもは3人なので、4人残るのはソーイング・ビー史上初めてのこと。
激戦を勝ち抜いた優秀な4人の女性たちは個性も様々です。
秘書のデブラ
恐ろしい裁縫達人。
技術があるだけでなく、ロマンティックと洗練されたシャープさを併せ持つ。
センスの良さで優秀作品獲得は3回、優秀作品候補も多数。
型紙とリメイクでも1回ずつ1位を獲得し、まさに優勝候補の本命。
ところが18歳でファッションの勉強を始めるも、その道には進まず秘書となり、ソーイングにのめり込むようになったのはつい最近だとか。
そのせいか、これだけ結果を出しているのにいつも自信なさげ。
決勝戦では夫と息子さんが応援。
夫はデブラが決勝戦に進んだだけで涙ぐんでしまう愛妻家。
教師のブローガン
大変正確な技術の持ち主。
型紙1位は2回、リメイク1位は1回。
1位にならない時でもたいてい上位をキープ。
小学生の時、手芸クラブに入ってソーイングにはまったそうで、若い割にソーイング歴は長い。
パフスリーブとフリルをこよなく愛し、女性らしさを信条としている。
そのためか、課題に合った服というより自分好みの服を作りがちで、優秀作品は獲得していない。
決勝戦ではお母様と婚約者が熱烈応援。
コスプレ好きのマン・イー
型紙1位は3回、リメイク1位も3回と、最も多く1位を獲得。
優秀作品獲得も1回。
パニックになったと大騒ぎする割に、最終的にはいつもきれいに仕上げる器用さが最大の武器。
モデルに合わせる課題ではいつも勇気をもって難しいことに挑戦。
手縫いも上手く刺繡も得意。
決勝戦では彼氏が熱烈応援。
いつも自分を応援してくれた亡きお父様を思い、ソーイング・ビー出場を決めた。
ガーナにルーツを持つアニー
5回戦まではさっぱり振るわなかったアニーが覚醒したのは6回戦。
それまでは好みのエスニックテイストが多かったけど、デビットボウイ風の服でかっちりしたドレスを仕上げて優秀作品に。
それ以降、計3回優秀作品を獲得し、尻上がりに調子を上げてきた。
結果的に、1位も3回獲得。
ここまでコンテスト中に大成長した出場者は初めて。
色合わせのセンスやきれいなフォルムを作るのに長けていて、優れた直観力を持つ。
決勝戦では恋人が熱烈応援。
さて、決勝戦のテーマは「パーティーウエア」。
型紙の課題は「アモルファスドレスを2時間半で作る」。
アモルファスドレスは、審査員のエズメが1983年に仲間と創作したポリウレタン生地で作ったドレス。
博物館にも飾られ、映画「クロコダイルダンディー」でも着用された、いわばエズメの出世作。
このドレスでエズメはポリウレタン繊維の先駆者となったそうです。
アモルファスとは形がない、という意味だそう。
一枚の生地を女性の体にぐるりと巻き付け、右首1か所、右脇5か所のベルトと金具だけで留める、という斬新でセクシーなドレス。
右脇はほとんど露出しているというか、生地端がカーブしていて穴が開いているような感じ。
伸縮性の高いポリウレタン生地が女性の体形そのままの服になる、という仕掛けなんですね。
縦横に伸びるポリウレタン生地を上手く扱うことがこの課題のポイントです。
1位 秘書のデブラ
シルバー地に黒のマーブル調の模様の入ったポリウレタン生地で、鈍い光沢がある。
パトリックが「息を呑むほど美しい」と絶賛する素晴らしい仕上がり。
カーブは平らで袖ぐりの縁取りもきれい。
ベルトの先の額縁仕立ても完璧。
ポリウレタン生地の扱いが巧みで、生地を伸ばさず見事に縫い上げた。
エズメも「店で売れるレベル」とお墨付きを与えるほどの出来でした。
2位 コスプレ好きのマン・イー
黒い厚めのベルベット風で、全体的に細かな虹色のラメのような模様が入った生地。
襟ぐりにほんの少ししわが寄った以外、ほぼ完璧な仕上がり。
袖ぐりも美しく、脇のカーブもピタッと平ら。
ベルトもきれいだし、全体的に上出来。
ガーナにルーツを持つアニー
落ち着いた色味のピンク無地。
光沢は無くマットな質感の生地。
縫う時引っ張ってしまったようで、腰のあたりがたるんでしまった。
袖ぐりにもほんの少ししわが寄った。
でもそれ以外は悪くない出来。
ベルト先の額縁仕立ても美しい。
教師のブローガン
キラキラの金属シートが貼られた紫ピンクの生地。
カーブが平らにならず、生地がマネキンから浮き上がっている。
ベルト先はねじれ、袖ぐりにはしわが寄っている。
上手く縫えるかどうかよりも、好みの色合いで生地を選択。
この生地の選択はミスでしたね。
結果、高い技術を持つブローガンでさえ縫うのが難しく、仕上がりに影響してしまいました。