お盆がやってきました。
今年はお盆といっても、そのような季節感がほとんどありません。
夏祭りも花火もなく、梅雨明けも遅れたため、
季節感が感じられません!
ただ、暑いだけ!
お盆の時期になると、祖父母からよーく言われたことがあります。
小さいころ、夏休みの宿題をせずに外で遊んでばっかりしていた私は、
「お盆は化女沼に近づくんじゃねーぞ」と口を酸っぱく言われたものです。
化女沼は自宅から自転車で20分くらいのところになる沼で、
最近だと廃墟マニアの方々や心霊番組で有名になった化女沼レジャーランド(休園?閉園?)のそばの沼のことです。
小さいころから知っている私にとっては、旧名である化女沼保養ランドの方がしっくりきますが・・・。
夏休みになると決まってクワガタ取りに西へ東へ自転車で走り回っていましたが、
化女沼の近くに木くず山があり、沢山のカブトムシが採れるところがありましたので、
沼の近くを自転車で走り抜けると、オニヤンマやシオカラトンボ、その雌であるムギワラトンボなど、
ときにはギンヤンマなどが湖面を飛びまわるのが見えました。
クルマトンボや赤とんぼなどとは違い、これらのトンボは警戒心が強く、
子供にはなかなか採ることは出来ませんでした。
中でもギンヤンマは飛ぶスピードも速く、とても虫取り網で捕まえられない憧れのトンボでした。
昔は、沼のどこかには必ず釣り人が、釣り糸を下げていました。
たぶん、フナやコイなどを狙っていたのだと思います。
静かな古沼、太公望、夕まずめにウシガエルとヒグラシのBGMがとても風流でしたね。
今は完全にバス釣り専門になってしまったけど・・・まあ、あまり風流ではなくなりましたね⤵
化女沼のことを県外の人に話すと、
廃墟のレジャーランドと化女沼というネーミングから”怖い場所”を想像してしまうらしい・・・
でも、地元ではそんな怖い話は全く聞いたことがありませんがね。
昔から知っている場所だし、そのようなことを全く感じなかった私でありますが、
お盆のころになると、祖父母のその一言で、この時期に不気味なイメージがこびりついていたことも真実です。
「お盆には化女沼に行ってはいけないないよ、特に1人ではね」
「行くと、沼の中に引っ張られるからね」と。
夏休みは子供の海や川の事故が多発するので、注意喚起も含まれると思いますが、
化女沼の昔話をみてみると、ちょっと不気味です。
↓ ↓ ↓
むかし、沼のほとりに長者が住んでおり、長者には美しい娘がおりました。
姫は朝な夕な、その美しい姿を沼辺に見せていました。
すると、そのあまりの美しさにたくさんの蛇が水面に集まるようになりました。
ある秋の夕暮れのこと、美しい顔立ちの若者が通りかかり、許しをこうて長者の家に泊まることになりました。
やがて、若者は旅立つことになり、姫は大変別れを惜しみ嘆き悲しみました。
若者が去ってからというもの、打ち沈む姫の姿に長者の家は、ひっそりとしていました。
ある日、物思いにふけって草原で横たえていた姫は、身体に異常を感じ、あわてて館に戻りました。
しばらくして、姫は蛇を産み落としました。産み落とされた蛇は、館を抜けて、沼の中へ音もなく消えてしまいました。
それからというもの毎晩、沼の中から赤ん坊の声が聞こえるようになりました。
姫は、その泣き声に誘われ、引きずり込まれるように自ら沼に身を投げてしまいました。
その夜から鳴き声はぴたりと聞こえなくなりました。
以来、毎年五月の節句の日には、この沼から機を織る音が聞こえるそうです。
参考:エコパル化女沼 -照夜姫と化女沼伝説-
https://ecopal-kejonuma.jp/teruyo-hime/
照夜姫の美しさにたくさんの蛇が水面に集まるようになったとか
姫は蛇を産み落としたとか
自ら沼に身を投げてしまったとか
けっこう怖い話ですね。”日本昔ばなし”にはこのお話はないのかしら?
照夜姫は長者の娘ということですが、実際、すぐそばの高速のSAn名前は「長者原SA」で、
地名に長者原というところがありましたので、伝説とはいえ、リアリティがあります。
また、この近くには長者原貝塚遺跡がありますが、
ある時期に、まとまった集落を形成してことが想像されます。
むかしむかし、ある集落の首長の娘がいて、照夜という名前でした。
照夜は大変な美人であり、しばしば月夜の晩に化女沼のほとりで水遊びをしていました。
ある夜、その姿を敵対していた集落の若者らが見つけ、
それからはその姿を一目見ようと夜な夜なほとりに集まるようになりました。
その中で、敵対集落の美しい若者が照夜に一目ぼれし、
恋仲になりました。
二人は激しく恋をしましたが、
ある時、敵対集落の首長にそれがばれてしまい、照夜の前から去らねば無くなりました。
照夜はたいへん悲しみ、嘆きましたが、若者が再び目の前に現れることはありませんでした。
ある日、物思いにふけって草原で横たえていたときに、
突然、吐き気を感じて、館に帰りました。
その後、お腹は徐々に大きくなり、なんと、若者との間に赤子を身ごもったことが分かりました。
ところがその内情を知った父親はカンカンに怒りました。
照夜は若者との間に生まれた赤子を生み、育てたいと父に相談しましたが、
敵対する集落の若者との赤子など認める訳にはいかず、
結局、照夜は一人、月夜の晩にお腹の赤子もろとも沼の中へ入水して死んでしまいました。
それを知った父親は、ひどく悲しみ、
せめてこの事実を物語りに仕立て上げ、後世に残すことで
照夜の魂を静ませたいと考え、化女沼照夜姫伝説が生まれました。
↑ ↑ ↑
これは私の想像のお話しですよ。
そんなことがあったのではないかなあ、と考えてみました。
フィクションです、が、本当はどうなんですかね??
ただ、やはり、お盆に化女沼に近づかない方が・・・
良いかもしれませんよ・・・・・
そうしないと、照夜姫に・・・・・・