鍼の痛みと鍼後の痛みについて | ゴッドハンドではない鍼灸師の日々これこれ

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あすなろ院長が臨床で感じたこと、その他について気軽に書いていきます!(*^-^*)

かなり強い筋の硬結で生じている肩こり、五十肩、腰痛、坐骨神経痛・・・を治癒させるのは難しいと考えています。難しくさせているのは治療法の問題ではなく(勿論、技術的にも難しいですが)、患者さんの感受性の問題です。

 

強い筋の硬結は様々な難治性の症状を生みます。しかしながら、医療機関の検査では問題無いのです。

つまり筋の硬結が大きな止め石になり、症状を慢性化・固定化、重症化しているのです。それにはその止め石となっている岩盤を砕く必要があります。そのロックを外さないと前には進めません。湿布や痛み止めではこのロックをなかなか外すことはできません。外すにはその筋肉を弛めることが必要です(筋弛緩に作用する薬でも難しい)。

 

それにもっとも効果があるのは鍼だと考えています。

鍼により硬結を緩ませるのが最善と考えていますが、このような鍼は悪いところに命中すると痛み(ズーンとした重怠い痛み。ハリの響き、得気ともいう)を伴うことが多いのです。

 

また、硬結が強いほど治療後のハリの重苦しさ・痛みは強く出ます。

鍼治療になれていない人や神経質な人、痛み止めなどの薬を常用している人も強く出る(または強く感じる)ようです。

このような強い反応は初回のみのことが多く、2回目、3回目はそれほど強くないか、ほとんど出なくなります。

治療後の局所の重苦しさ・痛みが耐えられないと「鍼により悪化した」「鍼治療は駄目だ」と考える方もいます。いくらこちらが“一過性の反応だ”と説明をしてもダメな人もいます。

それで鍼治療を辞め、再び湿布と痛み止めで“誤魔化す”悪循環の日々が始まる・・・。

 

重苦しさが治まると症状自体は楽になってますから、治まってからまた来てくださいといってもダメな人もいます。

残念ですが、このような人は当院の鍼には向かないのかもしれない・・・。

このハードルを越えていって、楽になっている人も沢山いるのですが・・・。

 

鍼治療は患者さんにもそれなりの覚悟が必要な治療なのかもしれない。

 

勿論、AKAやオステオパシーなどで関節や筋膜のロックを外して治る人もいます。

しかし、硬結のロックには鍼が断然強い。

 

そういう意味で鍼治療はなかなか難しい治療だと思っています。