TG大学付属の医療センター時代の話。
鍼灸研修1年目に在籍する研修生は基本的に臨床は素人
の人が多かった（中には大変なベテランの方もいた）。
当然臨床能力は低い
患者対応、問診、技術・・・話し方から鍼さばきまで
”ホンマ、この子大丈夫かいな？”ってレベルでした。
今になってみればですけど（現在は若干
かな
）。
ただその時は必死なんですよね。
会話も不自然、想定外のことを言われるとハハハと笑って顔ひきってましたね
。
そんな訳ですから、もちろん患者様満足度は低いのです。
治療後に「うーん・・・」と納得いかない感じで帰られる方も研修初期は多かったようです（私も皆も！）
でも、明らかに不満足そうに帰られる方はまだ良いです。
愛想笑いして、その後、来なくなるパターンもありますから
今なら、そのくらいは多少見抜ける(-_☆) →嘘です。
そんな臨床生活で最も恐怖したものに
黄色い
紙ペラ
がある
研修生は皆これを恐れた・・・・
これは何かというと、いわゆる患者さんから電話連絡を受けた内容が書かれた紙
のことである。
これは受付さんが電話を受け、その内容を書き込んだものが受付の脇、ミーティングルームの入り口のコルクボードに貼っているのだ。
そしてその中身は、曜日の変更とそして・・・キャンセル
が最も多いのである。
理由なく”キャンセル”と書かれたものがもっとも
研修一年生は先輩より早くセンターに来て、朝のお掃除をしなければならない
（→その後キビチイチェック有
）
一年生は朝一番ミーティングルームのドアを明け、左のコルクボードに自分の名前と担当患者の名前が書いた黄色の紙を見るときが一番ドキドキする
！
だって入るときは一瞬無口だものね。
連続キャンセルもらった人なんか、その人の周りは2トーンくらい暗いから誰も近づけない・・・
。
予約の臨床の準備をして気合を入れて朝臨んだのが一瞬でパー
臨床能力の高い先輩はリピート率高いので、忙しい忙しい
と臨床室を駆けずり回っているが
一方、自分は・・・どよーん
「あー図書館でも行って勉強してくるかなあ」と一言残し、トイレで悔し涙を流した研修生もいただろう。
でも、その時悩んだことが今の血肉になるんだなあと
その時は考えられないのですよ。
現在でも失敗から学ぶことが多いです。
”成功は一瞬で気持ちは良いが記憶には残らず、失敗は尾を引き辛いが将来の身になる”
んですね。
「おーい、お前は身になっているか～
」
「・・・腹じゃねーよ」