未成年の障害児(基本要手帳)を育てると手当がついたり、必要な物品に補助がでたりしてます。ただし、ほとんどに所得制限がつきます。児童デイなども、収入によって負担額が違います。地域、年度によっても変りますので、ざっくりとした数字で上げさせていただきます。

 国の特別児童不要手当 障害児福祉手当などは、障害児一人を扶養した場合の年収900万前後で資格がなくなります。ほぼ同じ年収で、児童ディなどの利用料(通常1割負担)の限度額が月4,600円が37,200円にいきなり上がります。車いすなどの補装具も同じ限度額でしたが、年収1100万超えたあたりで限度額もなくなり、1割負担が全額自己負担となります。柳原可奈子さんが脳性麻痺のお子さんの座位保持や車いすが高いと告げたのはこのためです。限度額がなくなってもせめて1割負担のまま、なんなら2割負担、3割負担でもよい。いきなりの全額自己負担はあまりにも保護者の負担が重すぎます。

 通常の座位保持いすの使用年度は5年ですが、子供は成長します。成長すればサイズアウトします。半年で修理、2年から3年ぐらいで作り替えということになります。車いす、座位保持、というのは値段はピンきりです。体幹がしっかりしない、身体にゆがみがあるなどで、ベルト、サポート具で支える必要がある場合、オーダメイドです。合わないものを無理に使うと、子供の身体に負担をかけます。合わないものを無理矢理に使えば、成長期の骨に影響します。背骨が曲がる、胸郭が開かない、側湾になる。骨にゆがみがあれば内臓に影響します。尾てい骨がきちんと座面に収まらなければ、股関節脱臼になる。自分の身体でも成長前の座位保持いすに無理に座れば、ゆがみがでるのです。まめに成長期の子に合わせて座れせてやりたい。でも、オーダーの車いすは高いのです。年収1100万は、毎年30万を超える車いす作成の自己負担は出せるのでしょうか。

 そしてこの所得制限はきちんと払える金額であるという根拠はどこにあるのでしょうか。児童手当からいろいろな手当がなくなったあとの最後の補装具全額自己負担は厳しいのです。補装具の中にオムツも含まれています。月1万2千円までのオムツが1割負担でもらえていたのが、なくなった後での車いすです。オムツも成長して大きなサイズになれば、枚数も減ります。1万2千円では正直たりません。買い足していたのにそのぶん足して毎月2万円近くのオムツ代です。

 年収1100万、親が40代50代となると、兄弟がいれば学費に一番お金がかかる時期です。しかし、高校無償化の対象外です、児童手当ももらえません。所得税率も高いです。それなのに高額所得者というくくりになるのはおかしいと思います。

 政府はどのような根拠で制限の所得を決めているのでしょうか。児童デイが多くできて障害児がいても、共稼ぎの夫婦は増えてきました。しかし、うちのように、入退院を繰り返す、地域的に児童ディに入れない、まともに働けず片親のみの収入で暮らす家庭もおおいです。

 年収1100万、手取り800万ぐらい。住宅ローンに兄弟の教育費、生活費に、オムツ代、リハビリなどの医療費。高額所得者、生活に余裕があると判断する根拠を知りたいと思います。

 

 

 実はうちは、この最後の所得制限は超えることなく、息子は18歳になりました。手当はないが、児童デイ、補装具は37,200円の自己負担ですみました。しかし、ちょっと見た目増えていても、社会保険料、税金も上がり、手取りは増えない。それなのに車いす全額自己負担は無理だったでしょう。

18歳からは本人のみの収入(障害者年金は所得ではない)で判断されるので、無収入となります。福祉の利用料、車いすなどの補装具の費用は基本無料です。しかし、手当は同居の保護者の収入で判断されるので、国の手当はもらえません。

 いろいろ矛盾してます。

 きちんとこういう生活をすれば、車いす代ぐらい全額払えるよねという、そういうモデルケースが見たいです。

 

 自己負担で数十万払うよりは、メルカリで数万で座位保持いすを買えばよいという考えが理解できます。でも合わない補装具は危険です。使う前にOTやPTの専門家にみせて意見を聞いて、修正して使ってください。成長期の子の骨はたやすく歪むのです。そのことだけは気をつけてほしいと思います。