俳優座『ファーム・ホール』観劇
イプシロン作戦という第二次世界大戦末期に連合軍がナチスドイツの核開発計画に携わったとされるドイツ科学者6名(実際は10名)はイギリスの田舎にある大きな屋敷に幽閉され、そこで録音された実録を基に描かれた作品である。
元ナチ党員もいれば反ナチスのラウエ、原子核分裂を発見したハーンや物理化学者ハイゼンベルクなどの科学者たちがチェスやピアノなどで時間を潰す。しかしアメリカが日本に原子爆弾を投下したというニュースを聞くと、アメリカに追い越されていたことを悔やみ、それぞれの心中が吐露されていく。そしてこの屋敷から出る時どのような表明をするか、自分の意図を果たして一般的に受け入れられるのかなどが語られていく。
のどかだが緊迫した空気の中で繰り広げられる男性6人だけの会話にそれぞれ科学者としての信念、人間としてのイデオロギー、そして原子核の重要性と危うさが繊細に描かれている。
演出は真鍋卓嗣。
