ナショナル・シアター・ライブ『フィフス・ステップ』鑑賞
ジャック・ロウデンとマーティン・フリーマンの2人芝居。中央に長方形の舞台があり、小さなテーブルと折り畳み椅子しかない簡素な舞台セット。四方は客席に囲まれ、そこで繰り広げられる会話劇は笑いがあると共に緊迫感も生み出す。
アルコール依存症の更生プログラムに取り組むジェームズ(フリーマン)とそのプログラムに参加する新入りのルカ(ロウデン)の互いを理解することができずチグハグな対話から始まる。ルカが徐々にジェームズを信頼していく一方ジェームズの隠されていた過去も暴かれていき、立場が逆転に変わろうとしていく。アルコール依存から抜け出すという深刻な話であるにもかかわらず、開幕してすぐに会場は笑いに包まれる。言葉の解釈の違い、人と人との距離の違い、「普通」の基準の違いなどデイヴィッド・アイアランドの戯曲に2人が作り上げる「間」のタイミングや表情でブラック・コメディへと変換されていく。
