はい、第5回にわたってお届けします、“人間と性”教育研究協議会「理論と実践講座」のまとめですが、今回は『教科書からひろがる性教育(小学校での実践)』。

愛媛県で、公立小学校教諭として33年目。性教育の実践を始めて20数年の菊池先生による、事例紹介がありました。「性教育大好き!!毎日が性教育のチャンスです!」と明るく熱心におっしゃるチャーミングな菊池先生★性教育の実践を積み重ねる中で個々の人生の充実、 自己実現のために性の学びは欠かせないという確信をもたれ、今の教育課程や教科書で、どのような性の学びが展開できるか日々考えながら邁進されています!

菊池先生が伝えたいメッセージとしては
うまれた命すべてが
・大切に
・幸せに
・納得して
生きてほしい

ということ。

そして、
生きていく力=自分の人生を自分でデザインしてたくましく生きていく力として、
「生きて働く力」「生きていこうとする力」が必要で、そのためには、ほめられる、認められるという自己肯定感が不可欠とおっしゃいます。

菊池先生の性教育の授業では、生活科の時間を利用して、成長の背景には多くの人の支えがあったことを気付くことをテーマに、
・できるようになったこと
・大きくなった自分を確かめる
・これからの自分を考える
ことを授業で取り上げることで、人との関わりの中で自分の成長を実感し、将来を考え、それをまとめて人に発信する、という機会をつくっています。

自分のことと実感しながら、肯定的に受け止められる、そして自分の大切さを受け止められることが大事と菊池先生。

また、おへその役割の紹介から、いのちの誕生についてのクイズを行ったり、小さな穴をくぐりぬける産道体験をさせたり、小さい子でもわかりやすく命の誕生について学習する機会を作っています。

菊池先生がされていたお話の中で、家庭の中でできる性教育は?ということが特に印象的でした。
それは
「あなたが生まれてきてくれてうれしい」
「あなたがいるから幸せ」
「いてくれてありがとう」
「そのままのあなたに価値がある」
と親の口から伝えること。
思春期まではスキンシップをとること。
そして、しっかりお手伝いさせること。

お手伝いには一人暮らしできる家事の能力をつけることだけでなく、子供のできること増えて、そこから感謝の気持ちを伝えられることで、自己肯定感につながるそうです。

そして、こころの栄養と同じように、からだの栄養も十分に与えること

これは私も親になったら実践したい!!と思いました。

ただ、そんな中にも、複雑な家庭の事情の子がいれば、家庭訪問をして事前に確認をしたり、学級便りで報告をしたり、先生の並々ならぬ配慮も背景にあるのもたしか。命の大切さを伝え、生きる力を育みたい、という純粋な思いが痛いほど伝わりましたし、これをまさに教科書に入れて全国的な取り組みとして、してほしいなー。。