この橋を渡ればお伽話のような雪と氷の世界に踏み入る
明らかに非日常な景観だがどこか懐かしく見える不思議
世界中からここに集う人々はこの秘境の地で何を見て何を感じるのか
アジアの国々から訪れた人々のはしゃぎっぷりは印象的だった
無理もない 彼らの母国の多くにおいて雪とは無縁の生活なのだ
かくいう自分も雪を見に来た しんしんと降る雪が見たい
思いが天に通じたか雪華がひらひらと舞い、深雪の村の表情もぱっと明るくなった気がした
しかし天候は不安定で程よい降雪など長続きしない
雪女の絶叫のように吹雪いて飛雪になり雪煙が上がることもあった
降ったり止んだり緩急を繰り返す雪はこちらの意図をもてあそんでいるようだった
この景色は旅で訪れる分には愛でるべきものだが村民にとっての雪はやはり厄介者であろう
この優しい雪の景が白い地獄へと変貌することのない冬を祈るほかなかった 
撮影地：岐阜県大野郡白川村