紅葉の参道 - 鶏足寺 - | across the sky, beyond the horizon

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あの空の向こう、あの水平線の彼方…
私は何を見て、何を想うのだろう…

 

momiji* 鶏足寺を訪れた

全国の紅葉名所の中でも近年、人気急上昇の場所らしい

湖北地方の山間部にあるというだけで勝手に行きづらい場所と決めつけていたが、

いざ行ってみれば私の住まう地域からならさほど時間もかからなかった

 

 

 

最寄りの駐車場に停めてから鶏足寺までは集落の中をしばらく歩いてゆく

その途中の田舎や神社の晩秋の紅葉がとても素晴らしかった

 

 

 

ここには初めて来たのだが紅葉の発色がとてもビビッドで強烈だった

雨上がりというタイミングも幸いしたろうが、カエデが色づく好条件の土地柄なのだろう

 

 

 

さらに進んでいくと次第に山道になる

ここでも鮮やかな紅葉が出迎えてくれた

この先に鶏足寺があると思うと胸が高鳴って来た

 

 

 

山道からふいに視界が開けた

鶏足寺の境内についたのだ

そしてここは紅葉の楽園だった

 

 

 

何度も目にしてきた写真と同じ光景が、今自分の目の前に広がっていた

ここに来る前はそんなに感動はないだろうと思っていた

が、この敷紅葉の参道は何か神秘的な力で見る者全てを圧倒するのだった

 

 

 

単なる侘び寂びというのではない

何というか、神聖な雰囲気が漂っているのだった

決して踏むことを許されないレッドカーペットなのだった

 

 

 

こんなに美しい敷紅葉、実は自然だけで作り出しているものではなかった

紅葉の最盛期、参道のこのゾーンにだけは人が踏み込まないよう囲ってある

地元の人々が訪れる観光客のため、敷紅葉を綺麗に保ってくれているのである

鶏足寺の紅葉の風景は、温かな心遣いと豊かな自然の共同作品なのである

 

 

 

山がざわめくと風が吹いてきて紅葉が舞い散ってゆく

紅葉は最期に生命のきらめきを見せ、友の待つ地上へと還ってゆく

甘く切なく美しく散ってゆく紅葉が見せてくれた世界は万華鏡の中のそれだった

 

 

 

名残惜しくも来た道を戻ってゆくと入れ違いに数えきれない観光客とすれ違った

大型観光バスでやってくるツアー客が目立つのも特徴だ

鶏足寺の人気がそれほどにまで高いということの証明だった

臨時の茶店も出て、里の人たちが総出でおもてなししている様子もほっこりする

 

 

 

最寄りの小学校の課外授業だろう、低学年の子どもたちの発表も行われていた

自分たちの住む地域のことを他所からやって来る人々に聞いてもらおうというものだ

こういう経験は子どもたちに自信をつけさせ地域への愛着もより深めるだろうと思った

 

そういえば「鶏足寺」とは不思議な名前である

何でニワトリの足?と最初聞いたときは思った

 

先程の子どもたちが教えてくれたことだが、

この里で鶏の鳴く声を聞いた伝教大師最澄がその声の主を探して山道を行くと

雪の上に鶏の足跡が点々と続いているのを見つけた

さらにそれを伝って山奥まで行くと十一面観音の像が見つかりそこに寺院を建立した

それが鶏足寺のいわれである

 

 

 

湖北の山奥の古寺、鶏足寺

聞きしに勝る紅葉の名所であった

寺伝にあるような雪の降り積もった冬景色もさぞ神秘的な美しさがあろうかと思えた もみじもみじ

 

 

 

 

撮影地:滋賀県長浜市木之本町 鶏足寺(2017年11月23日)