11月の3連休、東京モーターショーを訪れた
2年に1度のクルマの祭典
一時期より規模は小さくなった感もあるがそれでもクルマ好きにはたまらないイベントだ
モーターショーでは各社の威信をかけたコンセプトカーや最新技術が余すことなく展示される
会場のデザインや演出も必見だしコンパニオンもショーに華を添える
それらが集まって賑やかなイベントになり、毎回少し先の未来が見えてとてもワクワクする
電気自動車、自動運転、人工知能(AI)
今回のモーターショーで各メーカーが一斉に注力していた技術だ
すでにその一部の機能は市場に投入されているが、より進化したカタチを見せてくれた
理想とするクルマ社会を知らしめる手段として、
各社競い合うようにして来場客にアピールしていたのが仮想現実(VR)を用いたイベント
専用ゴーグルをつけて未来のあるべき交通の姿(モビリティ)を一足先に体験してもらうのだ
また来場客のスマートフォンと連携して楽しむショーや企画も多数見受けられた
こういった試みは全て近い将来に訪れるクルマとコミュニケーションする世界の胎動なのだった
新しいヒトとクルマの時代へ… その期待感は高まるばかり
ふと東京に向かう新幹線の中で読んだ雑誌の記事が気になった
次世代のモビリティを担う新技術、日本は世界のトップを走っているわけではなさそうだった
自動車メーカーが主導権を握り続けられた時代は確実に終わりつつある
クルマは重厚なモノづくりの産物から家電的な性格を帯びた情報通信の産物とシフトしていく
電気自動車、自動運転、AIの研究についてはGoogleやテスラといったアメリカの企業も得意とするところ
そういえばアメリカの大手メーカーの出展が全くないのも残念というか不気味でさえある
近未来のクルマ社会の主導権争いはIT企業や新興企業も巻き込んでより熾烈になっていく
今回のモーターショーで提示されたクルマの未来ではより快適な移動空間が提供される
AIによって運転が自動化されれば乗り手の負担は大きく減る
また高速道路で故意に停車するような危険運転者を撲滅できるだろう
安全・快適・低公害はもちろん大前提だ
しかしクルマは人にとって「馬」であり「相棒」でもある
その上でクルマとの一体感を保ったドライビング、その楽しさも追求すべきだ
個人的な好みで言えば『ナイトライダー』の「K.I.T.T.」のようなAIが搭載されたクルマなら欲しい!
今回も楽しみながら学べたモーターショーであった
次回開催は2019年。東京オリンピックの前年である
技術の開発はさらに進んで今回示された流れはより加速し完成に近づいていることだろう
自動運転の普及などは国家としてのインフラ整備や法整備も必要だから、
オリンピックとあわせてこの国のモビリティデザインを描き直すショーとなるのかもしれぬ
次はどんな驚きや喜びが待っているだろうか
その答えを見に2年後、再びここを訪れたいと思う
撮影地:第45回東京モーターショー2017「BEYOND THE MOTOR」