遂にアメリカで、

イスラム教徒の市長が誕生した。

日本で女性総理が誕生した以上にビックリだ。

トランプは補助金をやらない、とか騒いでいるけれど、

これは職権濫用で、裁判になったら負けるだろう。


もっともトランプが大統領にならなければ、

マムダニ氏が市長になる事も無かったと思うし、

アメリカの中でも、

特にニューヨークで彼が勝ったことが、

共和党支持者にとっては打撃だろう。


何故なら、ニューヨークは911の舞台になった、

アメリカ最大の都市だからだ。

そしてイスラム過激派組織のアルカイダが、

この大規模なテロを起こしたことで、

ニューヨークは勿論、

全米でイスラム教徒へ憎悪やアレルギーが広がり、

イスラム教徒への差別や迫害が続いてきた。


当時アメリカで暮らしていて、

その空気を直に感じていただけに、

あれから四半世紀近くが過ぎ、

闇雲にイスラム教を否定するのではなく、

個人の資質や主張を、 

ちゃんと考える様になったのだな、と思うと感慨深い。



トランプが自分が大統領になる為に煽ってきた分断が、

逆にトランプが最も忌み嫌う市長の誕生に寄与したのなら、皮肉な話だ。

マムダニ氏が市長になったことで、

分断は益々助長されるかもしれないが、

盲目的なトランプ教信者以外は、

トランプ離れが進むかもしれない。

何しろトランプが擁護し続けて来たユダヤ人の約半数が、

マムダニ氏に投票した、というのだ。



結局トランプの、自分が大統領になればアメリカは昔の強さを取り戻し、

生活も良くなる、という、

根拠のない妄言を信じた、

トランプ教信者ではない普通の人の多くが、

トランプ関税で物価が更に高騰し、

良くなる筈だった生活が苦しくなる、という現実に直面して、

トランプの魔法から解けたのだろう。

生活が改善するなら、

宗旨なんてどうでも良い、という現実路線に転じた訳だ。



実際、今回はニューヨーク市長だけでなく、

ニュージャジーとバージニアの州知事選挙も行われ、何れも民主党候補が、

10ポイント以上の差をつけて勝利した。

この時期の選挙は、

来年秋の中間選挙を占う、と言われていて、

トランプ大統領は就任1年を待たずして、

失速し始めたのかもしれない。



まああの関税を振り回すやり方は、

世界の共感を得られるはずもなく、

結局関税分値上げされることになった品々が生活を圧迫する事になれば、

国民の支持も離れようというものだ。



とはいえマムダニ氏はまだどんな政治ができるのかは分からない。

市民の多くが望んでいるような、

物価の高騰を抑え、バスの無償化などの公約が履行できるかどうかにかかっている。


だがこの34才の若い市長が、

もしそれに成功すれば、

当然トランプとの対立は激化するだろうが、

国民のトランプ離れが一気に加速する可能性もある。

失敗すれば共和党に風向きが変わって、

中間選挙で勝ってしまうかもしれない。



いずれにせよ3年後の大統領選挙では、

トランプの後継者になんぞ勝たれてしまったら、

地球温暖化対策もままならず、

イスラエルの暴挙も抑えられず、

世界が良い方向に行くとはとても思えないので、

何としても民主党候補に頑張って頂きたい。


今回の選挙がその為の第一歩だとすれば、

マムダニ氏の手腕に期待したいと思う。