東野圭吾の小説。

例によってほぼ一気読み(笑)


古い大きなクスノキにある空洞の中で、

新月の夜にロウソクを炊いて念じれば、

自分の頭の中の「念」を丸ごと、

クスノキに預ける事ができる。

これを預念という。


そして預けた人の血縁者だけが、 

満月の夜、クスノキの中で、

預けられた「念」を受け取ることができる。

これは受念という。


極論すれば、

そのクスノキの不思議な力にまつわる話なのだが、

存在も知らなかった伯母によって、

そのクスノキの番人を命じられた主人公は、

そのクスノキの力も知らなかったが、

訪れる人達の言動から、

徐々に真相に近づいていく。



本当にこんな木があれば驚くけど、

よくこんな設定思いつくな、と、

東野圭吾の頭の中にも驚く。



次第に互いを信頼するようになる伯母と甥。

そして伯母の預念を受け取った事によって、

伯母の真意を知った甥。

最後はなかなか良い終わり方だったと思う。



ちなみにこの小説、

「クスノキの女神」という続編が出ている。

とりあえず図書館に予約してあるけど、

いつ回ってくる事やら(笑)


それと、来年1月にアニメ映画が公開される。

主人公の直井玲斗役を高橋文哉(朝ドラあんぱんで、健ちゃん役をやっている人)、

伯母の柳澤千舟役を、

なんと天海祐希が声を担当する、という。


天海さん、最近は「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」の実写版で紅子さんやってみたり、

コンビニのオーナーだけど、

宇宙人の女神にそっくり、という謎設定のセブン-イレブンCMに出てたり、

なかなか斬新な?仕事が多い様な(笑)


そう言えば大地真央のアイフルの女将さんも、

遂に宇宙人になってしまったな。

宇宙人、流行ってる!?(笑)



柳澤千舟は60代という設定だと思うけど、

クールで事業家としても辣腕、

でも実は腹違いの妹に手を差し伸べなかった事を後悔し続けてきた。

妹亡き後、世話をしていた祖母も亡くなり、

孤独に生きてきた玲斗の前に現れ、

クスノキの番人、という仕事を与える。


この話は、クスノキの不思議を描いたと同時に、 

玲斗の成長譚でもあるのだ、と思う。

であれば、千舟に天海さんをキャスティングした気持ちがよく分かる。

ちょい若いけど、実写でもいけるんじゃない?



久々に長編一気読みしたけど、

やっぱ東野圭吾にハズレはないな。