何をしでかすか分からない、というのは今に始まった事ではないが、
まさか本当に25%の追加関税をやるとは。
相互関税と言うからには、
アメリカへの課税も覚悟の上なのか。
日本やEU等の常識的な国にはそんな根性は無いと踏んでいるのかもしれないが、
早速報復関税を表明した中国などは、
当然反発してくるだろう。
とりあえずEUも報復関税に言及しているし。
そしてその報道だけで、
世界中の株価が暴落している。
勿論、アメリカもね。
トランプは、手術は終わった、
これからアメリカ経済は良くなる、と断言したが、
そううまく行くものか。
どこか一国だけ得をする、とか、
今の世界ではあり得ない。
互いにバランスを取りながら、
共に進む、というのが標準の世界情勢で、
突出した事をすれば、
当然自分達にも反動は来る。
そういった事が分かっているから、
世界中の政治家は話し合いを繰り返し、
1番マイナスの少ないやり方、
できればWin-Winの方策を模索して来たのだ。
それが気の短いトランプには、
まどろっこしく思えるのだろうが、
手っ取り早く自分達だけにメリットがある手など無い。
トランプに投票した人は、
ビジネスマンでもある彼の、
経済立て直し、インフレ抑止に期待したのだから、
暴走によって悪化して、
支持者が離れていけばいいのに。
この相互関税が最悪なのは、
世界最貧国、と言われているアフリカのレソトにも、
最高の50%を課した事だ。
レソトは南アフリカ共和国の中にある、
人口200万人程の小国だ。
輸出はリーバイスの工場がある事もあり、
アメリカへの依存度が高い。
当然雇用も依存する事になる。
その上トランプは、
「誰も聞いたことが無い国」という、
失礼極まりない発言までしている。
レソトでは今、大騒ぎになっているだろうが、
この暴挙はチャンスでもある。
アメリカ以外の国にとってね。
アフリカ進出に力を注いでいる中国などは、
アメリカが作ったマイナスを、
補填することで影響力を強めよう、とするかもしれない。
元々イギリスからの独立だし、
周囲を南アに囲まれてもいる。
西側諸国も、脱アメリカの為に力を注いで貰いたいし、
それは同時にアメリカへの依存度を低下させる事にも繋がる。
独裁国並に危険な国になってしまったアメリカとは、
一定の距離を置けるように、
日本ももっと他国に目を向けるべきだろう。
アメリカがクシャミをすれば、
日本は風邪をひく、と言われたものだが、
いつまでもそれではいけない。
独裁国、と言えば、
トランプが憲法で禁止されている3期目を狙っているようで、
ワシントンが3期目を固辞した事で、
慣例となった2期まで、を、
戦時中の特例だったルーズベルト以外の歴代大統領は守り続けてきた。
ワシントンの怒りを買ったのか、
ルーズベルトは4期目に入って僅か3ヶ月で、
脳出血で急死している。
その後憲法が改正されて、
正式に大統領は2期まで、と明文化されているのだが、
連続2期まで、に憲法を改正しようとでもしているのかもしれない。
でも権力に固執するそのやり方は、
プーチンや習近平と同じだ。
共産主義の独裁者と同じ事をやろうとするなら、
その時点でトランプは民主主義者ではない。
大風呂敷を広げて大統領になったトランプは、
ウクライナ問題を解決できず、
それどころか停戦すらできないし、
国内のインフルを抑える事も出来ていない。
つまり公約は何もできていないし、
よく見るとむしろプーチンに擦り寄っている。
独裁者同士、相通じる物があるのだろうが、
この危険性をアメリカ国民は理解しているのだろうか。
単純なトランプは、
プーチンに踊らされ続けている。
政治家としてのキャリアに差があり過ぎるので、
仕方ない部分はあるが、
そんな大統領を選んでしまったアメリカ国民が、
被害を受けるのは勝手だが、
世界中が迷惑を被るのは大問題だ。
この先まだ4年近くの任期がある事に、
絶望的な気分になる。