発生から72時間以上経過した、
埼玉県八潮市の道路陥没事故。
直後は巻き込まれたトラックの運転手と会話ができていた、という話なので、
もっと簡単に救出できると思っていた。
ところが陥没はドンドン広がり、
トラックを引き上げようとして、
荷台部分と運転席部分が外れてしまった辺りから、
これは大変だ、と気づいた。
最初にもっと他のやり方は無かったのか、
例えばレスキュー部隊をクレーンで吊り下げて、
運転手だけを引っ張り出して吊り上げられなかったか、とか、
素人は思ってしまうけれど、
そもそも地盤が緩んでいたし、
大量の重機を投入すれば、
更に道路の陥没を誘発してしまい、
二次災害の危険性を考えれば、
難しかったのだろうな。
下水道の破損で道路が陥没、というのは、
よく聞く話ではあるけれど、
これ程大規模な物は余り記憶が無い。
この場所は下水処理場が近くて、
流れ込む下水の量が多いので、
流される砂の量も多くなる、という事らしいのだが、
下水処理場に流れ込む下水の中に、
土砂が多く混ざっていた、という事は無かったのだろうか。
道路の下にこれだけの空間ができる程、
大量の土砂が流されてしまっていたのだから、
何らかの異変はあったのではないかと思うのだが、
長い時間をかけて少しずつだと分からないものなんだろうか。
運転席部分は泥の中に埋まってしまい、
目視できない状況だというし、
この寒さの中に取り残されて、
しかもこれだけ時間が経ってしまった事を思えば、
生存は難しいとは思うが、
それでも少しでも早く出してあげて欲しい。
道路の陥没で落ちたのは一瞬で、
何が起きたんだ!?という感じだったろうが、
本人もまさか救出にこれ程時間がかかるとは思っていなかっただろう。
寒さの中、遅々として進まない中、
次第に衰弱していく絶望感を思うと胸が痛む。
同時に、待ち続けるしか無いご家族の気持ちを考えると···
下水管の耐用年数は50年と言われている。
早い時期から整備された都市部では、
そういう時期に差し掛かっている下水管がゴマンとあるらしい。
劣化や破損の程度は、
回りの環境にもよるので一律ではないだけに、
どこが危ないか、どこを優先すべきか、
見極めるのは難しい。
この辺りでも水道や下水、ガス等の管の交換は行われている。
住宅地なのでそんなに太い物では無いようだが、
地中の管の交換はなかなか大変だ。
まず隣に仮管を入れ繋ぎ変え、
古い管を撤去して新しい物に変える。
その後、新しい本管に繋ぎ変え、
最後に仮管を撤去する。
道路を封鎖して工事するので、
一度に長い距離はできない。
最初に敷設するより、
ずっと手間と時間がかかるわけだ。
細い道の下に埋まっている管は細いが、
幹線道路の下には太い管が走っていると思われる。
大きな道路での交換は、
通行止めにするのがより大変だとは思うし、
場合によっては夜間工事になったりするかもしれないが、
こういう事故が起きると、
優先して点検、交換をすべきではないか、と思えてくる。
老朽化だけではなく、
地震大国日本では、揺れた時にズレる、という場合もある。
水関係だと、土砂が流れて今回の様な事が起こり得るし、
ガス管がずれるとガスが漏れ出して危ない。
なので今新しくしている管は、
揺れに強い物に変えていってるらしい。
昔は金属管だったので、
腐蝕し易かったし、揺れにも弱かったので。
手間も時間もお金もかかるけれど、
今回の事故の様な例を見せつけられると、
早急な対策が必要なのだと思えてくる。
被害を受ける可能性は誰にもあるのだ。
そして八潮市の現場では、
十分安全に留意しながら、
1時間でも早く、
救出して欲しいと願う。