バイデン大統領が、
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を阻止する命令を出した。
日米関係に悪影響を及ぼし、
外国投資家を遠ざける可能性があるとの懸念があるなか、
政治的公約を守る形になった。
トランプ次期大統領も、
この買収を阻止すると公言しているので、
この問題が覆るのは難しいだろう。
だが、そもそも救いの手を求めていたのはUSスチールの方だった。
だから、USスチールの経営陣も、
日本製鉄と共に政府を訴える、と表明しており、
CEOは、この取引を阻止することは、
ピッツバーグが鉄鋼の街であった100年以上の歴史に終止符を打つことになる、と警鐘を鳴らしていた。
バイデン大統領は買収を禁止した理由として、
国家安全保障への脅威を挙げ、
アメリカの鉄鋼業界とそのサプライチェーンを強化するためには、
国内での所有が重要だと述べた。
何で同盟国である日本の企業による買収が、
安全保障への脅威になるのかサッパリ分からない。
まあ、日本がスパイ大国で、
セキュリティが甘々だからかもしれないが(笑)
だが、現実には安全保障云々以前に、
雇用も含めて単独では維持できない状況にあるから、
買収先を探していた訳で、
取引に反対していた全米鉄鋼労働組合も、
今の現状を考えずに、
鉄こそアメリカの象徴なのに、という感情論を振りかざしているに過ぎない。
政府が支援するには限界があるし、
過剰に税金を注ぎ込めば、
他の業界から反発も起きるだろう。
かといってアメリカ国内で買収先を探すとなると、
独占禁止法に引っかかる可能性が高い。
だからこその外資だったのだが、
同盟国に対してさえ、
メンツの為にこんな横槍を入れると、
今後アメリカに資本を投じようとする
外資企業は激減するだろうし、
何より、USスチールそのものが倒産の危機に陥りかねない。
日本製鉄は、過剰生産を続ける中国に、
日米の鉄鋼事業で協力して対抗しようとしたのだろうが、
アメリカ政府がこの対応なら仕方ないし、
潰れかけたUSスチールに多額の資本を注ぎ込んでまで、
手を組む必要も無かったのではないか。
むしろ阻止されて良かったのかもしれない。
感情論ではなく、もっとちゃんと話のできる、
国や企業を探した方がいい。
この買収計画が頓挫した後、
USスチールが立て直せなかった時に、
アメリカ政府が多数の失業者と荒れ果てたラストベルト地域を、
どう支援できるのか見ものだ。
あの時買収を認めておけば···となる可能性が高いと思うが、
そうなっても知ったこっちゃない。
ま、自力で再建できるなら頑張って(笑)
何も沈みかけた船に同乗して、
一緒に沈むことも無いと思うので。