今日の朝ドラ「虎に翼」を見ていて、

そうだったのか!と合点した。


主人公、寅子の元同級生で、

互いに憎からず思っていた、

EXILEの岩田剛典さん演じる花岡判事のモデルが、

あの山口判事だったとは。



山口良忠という人は、

戦後、物の無い時代に、 

食管法違反の裁判を多く手掛けていて、

闇米を取り締まる立場の自分が闇米を食べてはいけない、と、

闇の食料を拒絶し続けた結果、

わずか33才で、

栄養失調で亡くなった判事だ。



https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E8%89%AF%E5%BF%A0?wprov=sfla1



この話を初めて知ったのは、

法学部の学生だった40年以上前の話で、

そこまですべきだったのか、とか、

高潔な姿勢は判事の鑑、とか、  

当時も議論となり、

意見は分かれたっけ。


すっかり忘れていて、

今週、花岡と寅子が昼食時に偶然遭遇した時に、

主に食管法違反の審理をしている、とか、

闇米の話が出てきていたのに、

伏線だったと気づかず。


あの時に気づくべきだったよな、

どんだけボンヤリ見てたんだ、自分!

と突っ込みたくなった(笑)



山口判事は、配給だけでは生きていけない事を身を以て証明した訳で、

裁判官や判事の給与引き上げの要因にはなったようだ。

法律を学ぶ者には余りにも有名な事件だったのに、

時間が経つと忘れていくものなのだな、と実感。 

今、豊かな時代だからこそ、

改めて視聴者の多い朝ドラで取り上げる事には、

意味があるのかもしれない。



時代と共に「当たり前」の事は変わるし、

場合によっては「正義」すら変わる。

今、ドラマでは、

日本国憲法発布に伴い、

民法改正のくだりをやっている。

それこそ当たり前に、

戦後の法律の下で暮らしてきたけれど、

今の形になる事に、

主に優遇されてきた男性側に、

抵抗感があったのは想像がつく。


だが現行民法になり、

女性の社会進出を促す世の中になっても、

家事や育児で負担を強いられるのが、

圧倒的に女性側である事に変わりはない。

若い夫婦は、

我々の時代よりは夫も協力するようになってはいるけれど、

それでも完全に平等とはいかない。

そして少なくとも出産は女性しかできないから、

その間休まざるを得ないので、

女は休むから大切な仕事は任せられない、的な、

差別は厳然と存在する。


そりゃキャリア志向の女性は、

結婚や出産に二の足踏むよなぁ、と思う。

幾ら岸田首相が、

異次元の少子化対策、とぶち上げても、

昨年の出生数が72万人で過去最低、

合計特殊出生率も過去最低の1.20、

という事実でもハッキリしている。 

 

お金をばら撒いても、

父親に育休を義務づけても、

そういう意識の改革をしなければ、

不公平感は無くならない。

実際、父親が育休を取っても、

何もしないで家でゴロゴロしてるだけで役に立たず、

邪魔だし却って仕事が増えてイライラする、という声も聞く。 

その上、育休取る僕って、

いい夫、いい父親、感を出されたら、

そりゃ奥さんはブチ切れるって(笑)



勿論、若い夫婦の中には、

ちゃんと役割分担して、

助け合っている人達も大勢いる。

だが、そうではない人達もまだまだ多い。

その根っこは、

戦後の民法改正でも、

男尊女卑の意識を変えられなかった男側にあり、

それは80年近く経った今でも、

脈々と続いているのではないか。


もはや人口減少は避けられない。

日本はこのまま滅びに向かうのだろうか。