金の高騰が背景にあるのか、
東京の日本橋高島屋で開催されていた大黄金市で、
時価1000万の24金の茶碗が、
白昼堂々と盗まれた。
展示台に置き、
アクリルケースを被せてあったが、
施錠などはされていなかったし、
センサーも設置されていなかった。
展示即売会だったので、
購入希望者が手に取って見られる様に、
という配慮だったそうだが、
セキュリティの甘さが指摘されている。
しかも店側が盗難に気づいたのが、およそ30分後。
その間、犯人はすぐ逃げるでもなく、
店内をうろついていたらしい。
犯人が大胆過ぎるのか、
店側が迂闊すぎるのか、
或いはその両方かもしれないが、
犯行から2日経った今もまだ、
電車に乗って逃げたと見られる犯人は捕まっていない。
それにしても余りもストレートな犯行手口に驚く。
防犯カメラが現場を捉えていたから分かるが、
昔のカメラが無い時代なら、
忽然と消えた、という事になるんだろうな。
落ち着いて堂々としていると、
意外と周りは気づかない、ということか。
防犯カメラが捉えているから、
時間はかかっても、
いずれ犯人の足取りは追跡されるだろうが、
問題は盗品が金だ、という事。
溶かされてしまうと、判別は難しい。
重量は380g位とのことで、
金の価値としては500万位。
つまり定価の半分は、
石川光一さん、という、
天皇陛下ご成婚の記念品も手掛けた、名工の作品である、という付加価値なのだろう。
だが犯人がそんな事に斟酌するとは思えない。
作品として、自分が欲しくて盗んだ、のであれば、
そのまま保持している可能性もあるが、
単に換金化を目的にしていたのなら、
今頃は盗品と分かっていて買い取る闇業者に売られ、
既に溶かされているかもしれない。
手際が良すぎて、
怪盗ルパンか怪盗キッドか、という感じではあるが、
感心している場合ではない。
捜査に時間がかかるのは分かるが、
警視庁には気合を入れて見つけて欲しい。
折角の工芸品を、
そのまま取り戻す為に。
そして、犯罪は割に合わない、と、
万人に知らしめる為に。