1昨年5月、八尾市の小学1年の女児が、
遠足時に熱中症を起こした。
この件について、
女児側が安全配慮義務違反で、
損害賠償を求めて提訴した。
この女児、体が小さくて余り丈夫ではないので、
気温が25℃超えの夏日の中、
往復2時間歩いて公園に行く、という遠足に、
母親が不安を感じ、
休ませたい、と申し出たところ、
担任がこれも経験だから、と、
参加を促した。
母親はそれならば、と、
300円持たせるので、
水筒のお茶が無くなったら買って欲しい、という事と、
しんどい、と言ったらすぐに迎えに行くので電話してくれ、と言う条件を出した。
暑くなりかけの初夏は、
真夏ならどうということのない気温でも、
体が暑さに慣れていない為に、
熱中症になり易い、というのは、
広く知られている話だろう。
体温調節の未熟な幼い子なら尚更だ。
ならもっと大きな水筒を持たせればいいじゃないか、と言う人もいるかもしれないが、
大きくなれば水筒の重さも、
当然、お茶の重さもその分増える。
小柄で力の弱い女児なら、
持ち歩ける重さに限度があるし、
長時間歩くとなると尚更だろう。
それが分かっているから、
当日も母親が学校に出向き、
学年主任にもお茶を買ってくれ、と頼んでいた。
が、結果、どちらも守られなかった。
お茶が無くなったからお茶を買わせて下さい、と女児が訴えても拒否、
帰り道で唇のしびれとめまいを感じて不安になった女児が、
母親に電話する様に頼んでも拒否。
その結果、母親が学校に迎えに行ったら、
39℃近くまで発熱していて、
救急搬送されて熱中症と診断された。
こういう事になるのを危惧して、
母親は繰り返し申し入れをしていたのに、
学校側の言い訳が酷い。
曰く、
熱中症の症状が出たらお茶を買おうと思っていた。
遠足中は女児の様子から、体調に問題は無かった。
いやいや、症状が出てからでは遅いでしょうに。
出たらお茶を飲ませるんじゃなくて救急車だよ。
熱中症を防ぐ為に水分補給が奨励されている現在、
この教師達はいつの時代の人間?
「不適切にもほどがある」というドラマで揶揄されている様に、
確かに昭和の時代には、
運動中は水を飲むとバテる、という、
今考えると謎の理論で、
飲ませては貰えなかったよ。
でも今と昔とでは気候も大きく変わり、
格段に暑くなっているのだから、
この令和の世の中でそんなこと言い出したら顰蹙モンだよね。
八尾市だけ、
阿部サダヲみたいに昭和からタイムスリップしてきたのか?
それに本人が親を呼んでくれ、と言うには言うだけの理由がある訳で、
実際唇のしびれとめまいを感じたから訴えたんでしょうが。
事実、その直後に救急搬送されて熱中症の診断が出てるんだから、
遠足中の体調に問題が無いはずがないのに。
無責任な教師達が、
自分達の思い込みで大丈夫、と、
何の根拠もなく判断しただけ。
だがこの判断の誤りは、
1つ間違えれば命に関わる重大なミスだ。
幸い大事には至らなかったが、
もしこの対応で女児が亡くなってしまったら、
取り返しがつかないところだった。
なのに判断ミスを認めず、
何の反省も見られない学校側や八尾市には、
親なら子供を預けるのが怖くなる。
その上この女児は、
教師に何を言っても聞いてくれない、と絶望感を感じ、
もうすぐ2年経つ今も、
カウンセリングに通っているそうだ。
この件について、八尾市議会で話し合われたようなのだが、
提訴された途端、
議事録が削除されて見られなくなっているらしい。
しかも八尾市は争う姿勢だそうで。
そういう反省の無い対応だから、
被害児童側は、
同じ事を繰り返して欲しくない、
他の子供に被害が及んで欲しくない、と提訴に踏み切ったと言う。
まあ子供を預ける親側としては当然だよね。
素直に非を認めて謝罪していれば、
恐らく裁判にまではならなかったと思う。
事実を都合よく捻じ曲げ、
非を認めなかった結果、
全国的に知れ渡ってしまったんだから、
まあ自業自得だね。
高熱が出て救急搬送されて熱中症だと診断された事実がある以上、
そしてその危険性に対して、
親から繰り返し進言されていた以上、
八尾市側がどんな言い訳をしても通るとは思えないんだけどね。
裁判の行方が楽しみだわ。
幼い子供を守るべき大人であり、
親に次いでその責任を担うべき教師が、
その任を果たせないどころか、
危険を助長するなら、
最早教師を名乗る資格はないし、
子供にとって害にしかならない。
これで懲戒処分にならないなら、
世の中を知らず身内に甘い、と、
自ら公表してるようなもんだね。
熱中症に関しては、
高齢者だけではなく、
部活や学校の体育の授業などでも、
毎年かなりの患者が出ており、
亡くなる人もいる。
子供でも若くても関係ないのだ。
それだけ今の気候が尋常では無い域に達している、という事実を、
教師を含めて大人全般が、
もっと危機感を持って受け止めるべきだと思う。
甘く考えて命が失われてしまえば、
2度と取り返しはつかないのだ。