京アニ事件の青葉被告に死刑が求刑された。
この事件の求刑はそれしか考えられず、
責任能力の有無で判決が決まる。
つまり、完全責任能力なら死刑、
心神耗弱なら無期懲役、
心神喪失なら無罪。
裁判所の判断がどうなるにせよ、
一審で決着するとは思い難い。
唯一あり得るのは、
死刑判決を被告が受け入れて、
控訴しない、と決めた場合だけだが、
それ以外は最高裁まで行くかもしれない。
この事件は被害の大きさが桁外れで、
妄想による逆恨みが犯行動機であったとしても、
それをもって心神喪失だったとは、
とても言えないと思う。
準備も犯行も、
極めて落ち着ちついて行動していて、
心神喪失で何も分からずやった、とは思えないからだ。
弁護側がそう主張するのは、
それ以外に弁護の方法が無いからで、
本気で通るとは思っていないだろう。
心神耗弱は、何%か認められる可能性はあるかもしれないが、
死刑反対主義の判事でなければ、
選択しないのではないか。
もっとも青葉被告自身にとっては、
今の状態で生き続ける方が辛いかもしれない。
そしてその方が、負傷した被害者の辛さを思い知れるかもしれない。
青葉被告は昨日の公判で、
初めて被害者達に謝罪した。
心からの謝罪かどうかは分からないが、
それでもその言葉が被告の口から出て、
まだ良かったと思う。
被害者や被害者家族にとっては、
謝られても、という部分はあるだろうが、
例え死刑判決が出て執行されても、
自分は悪くない、
悪いのは京アニだ、と言い続けられたら、
憎しみから逃れられないし、
逃れるどころか募る一方だろう。
青葉被告にとっても、
自分のしでかしたことと、
ちゃんと向き合った方がいいと思う。
何れにせよ判決は来年1月25日。
京都地裁はどんな判決を下すか。