色々残念な会見だった。
厳しい指導であってパワハラではない、と言うが、
ハラスメントは受け取り側がどう捉えるかが問題。
自死に至る程追い詰められていた事自体、
被害者にとって耐え難いパワハラだったという何よりの証拠だ。
憧れて入ったはずの宝塚で、
夢を抱いて入ったはずの宝塚で、
生きることまで放棄する程、
傷ついていたというのに。
歌劇団側がそういう認識だから、
いじめやパワハラが横行するのだ。
大体会見に出てきた年配の男3人、
女の園の凄まじさを知らないのだろう。
そして彼らは、
体育会系のクラブ等では、
今なら大問題になりそうな事を、
当たり前にしていた世代だ。
それは私もそうだから分かる。
それ位、大したことではない、と思っているのだろう。
だが時代は確実に変わったのだ。
その変化についていけない人は、
組織のトップにいてはいけない。
清く正しく美しく、は、
単なるスローガンに過ぎない。
天海祐希が宝塚時代の話をしないのは、
想像を絶するいじめやパワハラがあったからではないのか。
彼女は成績も実績も抜群で、
トップになるのも速かった。
相当な嫌がらせをされたのは想像に難くない。
宝塚歌劇団の経営陣は、
根本的に考え方を改めるべきだ。
今迄のまま続ければ、
同様の事件がこれからも起きるよ。
そして夢を見せる舞台で、
尤も醜い現実を見せてしまったら、
誰も宝塚に幻想を抱かなくなる。
その存在意義を失ってしまうに等しい。
過労に関しては認めたようだが
(そこは数字で残っているから誤魔化せなかっただけかもしれんが)
過労だけで亡くなったとはとても思えない。
あの会見では遺族は到底納得できないだろう。
いじめとパワハラの構図を一掃できないなら、
もう宝塚なんて解体しちゃえば?とすら思う。
実は宝塚音楽学校は、15年前にも、
いじめの延長で気に入らない生徒に対して、
万引きしたとでっちあげ、
それを、鵜呑みにした学校に退学にされた被害者が訴えて、
裁判で退学を無効にされたにも拘らず、
再度退学にし、
高裁でも負けたのに仮処分確定後も司法命令に従わず、
裁判所の決定を無視し、
社会規範からの逸脱行為を続行している、と断罪されている。
「宝塚音楽学校に教育的配慮が欠けている。」(大阪高裁)
「宝塚音楽学校は退学処分を正当化するために責任転嫁を行っている。」(神戸地裁)
裁判所にここまで言われても尚、
音楽学校側は抵抗したが、
その後凄まじいいじめの実態が明らかになり、
学校側の完全敗訴となる。
つまり15年前にこれだけの事件が起きていたのに、
何ら変わってないんだな、と思わざるを得ない。
人はどんどん入れ変わっていくのに、
トップがああいう連中だから、
ちゃんと指導ができずに、
同じ事を繰り返すのか、と思う。
プライドだけは無駄に高くて
非を認められないのかもしれないが、
これでは最早教育機関とは言えない。
宝塚を作られた小林一三氏は、
こんな宝塚を望んではいなかっただろう。
ジャニーズ問題の時に、
第三者委員会が「解体的出直し」と言ったが、
そうした方がいいのは、
宝塚も同じなのではないか。