ヘア·ドネーションってご存知だろうか。


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ガン治療等で、脱毛した18才以下の子供達に、
人毛のウィッグを無償提供する活動をされている団体があって、
広く髪の毛の提供を求めている。

髪の毛自体は、白髪でもヘアカラーしていてもパーマが掛かっていてもいいのだが、
長さが最低31センチ以上要る。
実際には31センチで括ってその上で切るので、
33センチ位は必要だ。

これは2つに折って植えつけていくからで、
2つに折れば15センチになり、
それでもギリギリショートのウィッグができる長さしかない。
だから長ければ長いほどいいのだが、
そこまで伸ばすのはなかなか大変だ。


コロナの間に警戒して美容院も行かなかったので、
かなり長くなっていた。
去年、ここまで伸びたんなら、
もうちょっと伸ばしてヘアドネーションしよう、と思い、
更に1年我慢した。


実は先日娘が出産して、
上の子が学校に行ってるので里帰り出産ができないので、
来週、退院のタイミングで、
東京まで少し手伝いに行く事になった。
だが毎日殺人的に暑いし、
髪の毛が長いと洗うのも乾かすのも大変だ。

という訳で、長さが足りていることを、
事前に提携美容院で確認して、
ギリギリ迄伸ばして、
今日カットに行って来た。


すごく短くなるけど本当にいいですか?ともう一度確認されて、バッサリ。
一房切って、もう後戻りはできませんよ〜と、
美容師さんが笑ってらした。

いやぁ、過去一短いんじゃないか、というショートになった。
でも頭は軽いし、
これなら洗うのも乾かすのも簡単!



私がヘアドネーションをしようと思ったのにはきっかけがある。

アメリカにいた時、
同じ所に来られていた別の会社の駐在員のご家庭に、
息子と同い年の女の子がいた。
日本人の少ない街だったので、
しょっちゅう一緒に遊んでいた。

帰国後は居住地が離れていたし、
すぐに義両親の介護が始まったこともあって、
年賀状だけの繋がりになっていたのだが、
ある日、その娘さんが15才で小児ガンで亡くなった事を知る。

記憶しているのは小学生の時の彼女だが、
元気で可愛い子だった。
運動神経も良くて活発だった彼女がなんで!?と。
理不尽に震えた。


お母さんと話していて、
治療も辛かったけど、
髪の毛が抜けてしまった事が、
もっと辛そうだった、とポツリと言われた事が、
ずっと心に残っていた。

そりゃそうだよね。
思春期の女の子に取って、
1番辛いことかもしれない。


その後、
彼女が病気になった時には無かった、
こういう活動がある事を知り、
いつかドネーションしよう、と思い続けてきた。

今、辛い思いをしている子供が、
少しでも気持ちが楽になれば、と思う。
勿論、1人分で1つ作れる訳では無いので、
誰かのウィッグのごく一部にしかならないだろう。
それでも何もしないよりはマシだと思うし、
何より私の背中を押してくれたのは、
その亡くなった娘さんで、
彼女の存在が無ければ、
こういう活動に興味を持ったかどうかも分からないから、
その事自体が、
彼女の生きた証の1つになるのではないか、という気がしている。


なので、2回目を目指してまた伸ばそうかな。
髪はただ切ればゴミだが、
役に立つ事もできる。

もし長く伸ばした髪を切ろうかな、と思っておられる方がいらしたら、
こういうボランティアもあるよ、と知って貰えたら、と思う。