素早く動けない日本政府と自衛隊は、
フランスの力も借りて、
やっと在留邦人を脱出させる事に成功した。
平和憲法は素晴らしいと思うが、
現実にはこういう時、
いつも迅速に動けない。
自衛隊を動かすには様々な制約があるからだ。
日本国憲法が制定された経緯や、
当時の状況を考えれば、
その時はあれで良かったと思うが、
世界の状況はどんどん変わっている。
今や、北朝鮮が核武装を現実化している時代なのだ。
いつまでも日本が武装せず、
何もしなければ、
どこも攻めては来ない、という幻想を持ち続けるべきてはない。
日本が平和ボケ、と言われる所以だ。
緊急時にはもっと素早く対応できるように、
法改正を含めて考えるべき時期に来ているのではないか。
そもそも日本は周囲を海で囲まれているし、
欧米からは遠いので、
攻め込むには相手に相当な装備が必要だった。
その割に大した資源がある訳ではなく、
リスクと投資に見合うだけの価値が無かっただけに過ぎない。
これが陸続きであれば、
話は変わってきただろう。
実際、ウクライナの例を見るまでもなく、
繰り返されてきた侵略の歴史がある。
だが、日本にはそういう過去がほぼ無いので、
緊張感に乏しい。
シェルター1つ作るわけでもなく、
のんびり暮らして来られた訳だ。
だが昨今の不穏な世界情勢を見ると、
これがいつまでも続くとは、
とても思えないのだ。
スーダンの内戦にしたところで、
元々、クーデターで政権を取った時は、
国軍と準軍事組織「RSF」は、味方だったはずだ。
それが4年経たずに権力闘争が始まった。
独裁政権だったバシール大統領を退陣に追い込んだ所までは、
市民の支持もあったのだと思うが、
民政化に移行するのは、
軍事政権としては我慢ならなかったか。
結局市民を弾圧し、
市民に犠牲を強いて、
やってることは倒したはずの独裁政権と変わらない。
だがこの内戦で、
人道支援を続けてきたNPOや国連の組織は、
撤退を余儀なくされる。
一番被害を受けるのは、
いつも無辜の民だ。
命も支援も奪われて、
国民を不幸にして、
国が成り立つと思っているのだろうか。
もっとも、残念ながら、
地球上の7割の人間が独裁国家に属しているのだそうだ。
勿論、独裁国家でも豊かで平和に暮らしている国もある。
シンガポールやサウジアラビア等は、
その好例だろう。
一方で、貧困や疫病で、
悲惨な生活を強いられている人々も少なくない。
ロシアの様に他国を攻めるだけではなく、
同国人同士で殺し合うケースも多い。
日本にしたところで、
昭和の始めには、
クーデターや迫害がまかり通っていた。
だから、それが人類の本質なのだ、と、
言ってしまえばそうなのかもしれないが、
もう少し建設的な事に、
人や物を使おうよ、と思う私も、
平和ボケなのだろうか。
どうすれば争い事を減らせるのだろう。
私利私欲や大義の為に、
争いを止めない人達がいる。
一方で人々の為に尽力し支援を続ける人達もいる。
どちらも同じ人間なのに。