プーチン自身、ここまで長引くとは思っていなかっただろう。
クリミヤ占拠の時は余り関心を示さなかった欧米が、
ウクライナに肩入れして武器供与をするなんて、
想定外だったかもしれない。
だが現実にはウクライナの反攻もあり、
よく持ちこたえている。
ロシアが完全勝利するとはとても思えない状況で、
いつまで戦争を続けるつもりなのだろう。
結局はプーチンの下らないプライドか。
挙げた拳を下ろせないのか。
その為に一番被害を受けるのは子供達だ。
昨夜、NHKスペシャルで、
再開したキーウの公立学校の密着ドキュメントを放送していた。
その中で女性の校長が、
子どもの教育に憎悪は必要ありません
憎しみは人格を破壊してしまう感情だからです
とおっしゃっていた。
本当にその通りだ。
だが理不尽に攻め込まれ、
生活全てを奪われて、
家も学校も友達も奪われた、
マリウポリから避難してきた少女にとって、
ロシアを、プーチンを憎むな、というのは難しい。
彼女が、見て見ぬふりをしたロシア国民も全員許さない、と激しい怒りをあらわにするのも、
無理もない、と思う。
憎しみの連鎖が何も生まないとしても、
憎しみが今、生きる力になっているのだとしたら、
それを否定はできない。
前線で闘う軍人を父に持った少年は、
卒業したら軍に入る、と言う。
だが父は、子供達に戦争を見せたくないから戦っている、
ロシア人を憎んでいるわけではない、
ロシア人にも良い奴はいる、と言う。
何の為に戦うのか、は人それぞれだろうが、
長引けば長引く程、
被害は増え、比例して憎しみは増幅する。
彼らにも、いつかは前を向いて、
憎悪ではない感情を大切に思えるようになって欲しいと思う。
と同時に、プーチンを容認することで、
ロシア国民は、自分達が明らかに加害者になっている、という自覚を持つべきだろう。
ある意味、直接手を出した者以上に、
傍観者の方が罪が重い、とも言える。
私達も含めてね。
この戦争を終わらせる方法は1つ。
プーチンが現実を受け入れ、
「撤退する勇気」を持てるかどうかだ。
そしてそれを後押しするのは、
ロシア国民と、世界全体の責任ではないか。
だがその為には、西側諸国は、
ウクライナに支援を続けなければならない。
結果的にそれが更なる被害に繋がる、と分かっているのに。
クーデターや暗殺で歴史を変えるのは間違っている。
だがプーチン1人が消えれば、
数十万、数百万の人が、助かるのなら、
もしゴルゴ13の様なスナイパーが存在すれば、
依頼したくなるかもしれない。
誰でもいいからプーチンを止めて、と。