昼少し前に、臨時ニュースが流れた時は、

まさか亡くなる程、とは思わなかった。


だがその後、散弾銃説が出てきて、

至近距離から銃撃、という話が出てきて、

これは危ないかも、と思うようになった。


次第に情報が増えてくると、

銃撃時の映像を見たダンナが、

今は無煙火薬だからあんなに煙が出るのはおかしい、

黒色火薬を使って自分で作ったのかも、と言い出した。

実際、自作の銃だったらしい。


そうなってくると、

まあ銃マニアはいるけれど、

誰でも取り扱える訳ではないので、

現役か元かは分からないけど、

ひょっとしたら自衛官か!?という気はした。



海自だったのは少し意外だったけれど、

元自衛官だった事には、だから驚きは無かった。

ただ、「政治信条ではないが、安倍元総理に不満があった」という容疑者の供述が、

どうにも解せない。


安倍さんは右寄りの政治家で、

元々自衛隊にとっては、

石破さん程では無いにしろ、

味方側の政治家だと思っていたのだが。

憲法改正に熱心なのも、

自衛隊の取扱いが根底にある、という理解をしていたので、

安倍さんの何が、

殺したい程気に入らなかったのか、

不思議で仕方がない。

捜査が進めば、追々明らかになってくるとは思うけれど。


と同時に、この事件のせいで、

自衛隊や自衛官に対する風当たりが強くならなければいいが、と危惧している。

自衛官皆に問題がある訳ではない。

容疑者個人が、歪んだ思いを抱いていただけなのだから。



だが動機がどこにあろうと、

暴力で何かを変えよう、とするのは、

そもそも絶対に許される事ではない。

自分の勝手な思い込みで他人の命を奪うのは、

規模の違いはあれど、プーチンと同じだ。



政治家としての安倍さんの功罪は色々あるだろうが、

少なくとも外交面では、

それまで毎年国のトップが変わる国、として、

国際社会で軽く扱われてきたのに、

8年間総理の座にあり続けて、

相対的に日本の地位を上げてくれたのは、

間違いないと思っている。


東京五輪招致に尽力し、

リオから東京へと繋ぐ映像で、

安倍マリオに扮し、

実像として現れた時は驚いたが、

世界中の人が見ている場面での登場は、

マリオのキャラクターと相まって、

多くの人に日本への親近感を持って貰えたと思う。



逮捕された山上容疑者が、

何をしたかったのかが良く分からないが、

安倍さんがこんな形で命を奪われる程の、

悪行をしてきたとは思えない。

それならもっと他にも、

狙われてしかるべき政治家も大勢いるだろう。

そして政情不安な国ならともかく、

日本でこんな事件が起きてしまった事が、

やはり信じられない思いがする。



今された報道で、

特定の団体に恨みがあり、

安倍元総理が繋がりがある、と思い込んで凶行に及んだ、と容疑者が供述しているようだが、

そうなると益々訳が分からない。

逆恨みですら無いのか!?

やはり思い込みによる殺人!?


まあそういう事自体は、

世の中にままあるのかもしれない。

だが、SPもついている要人に殺意を向けられ、

まんまと銃撃を成功させてしまったら、

何の為の警護だ、と思ってしまう。

警察もSPも何をしていたんだ!?と言われても仕方ないだろう。


結局この辺りも、日本人共通の平和ボケか。

今の日本で、この様なテロはそうそう起こるはずが無い、という、

根拠の無い楽観主義が遠因なのか。


だが起きてしまった。


犯罪も、アメリカ化しているという感じは薄々していたが、

いよいよ日本でもこういう事件が起きる時代になってしまった、と、

心した方が良いかもしれない。



銃撃直後に、既に心肺停止状態で、

出血部位の止血と輸血を続けたようだが、

輸血はすればする程、

保存血液に含まれる血液を固まらせない薬剤のせいで、

止血は困難になる。


安倍さんの血液量は5、6リットル。

輸血量が100単位以上、との発表があったので、

少なくとも20リットル以上の輸血がされた事になり、

身体中の血液が3回以上入れ換わっている計算になる。

うーん、傷が広範囲に及んでいたら、

やはり止血は難しく、

救命は無理だったと思う。


病院側もそれは承知で、

昭恵夫人が到着するまで、

何とか延命したのだろうな。

これが東京で起きたのなら、

もっと早く死亡確認されただろう。



夜になって容疑者宅の捜索で、

爆発物の可能性がある物が見つかり、

付近の住民に避難を呼び掛けているらしい。

本当に山上容疑者は何がしたかったのだろう。

報道が出れば出る程、分からなくなる。



ともあれ、67才の若さで、

こんな事件に遭って、

命を落とした安倍さんの無念は、

想像するに余りある。

恐らく本人は、何が起きたのか分からないうちに意識を失ったと思われるが、

まだまだ力を発揮する場があったと思うので、

残念で仕方ない。

そして、招致に力を尽くして頂いた、

後3年に迫った大阪万博を、

見て貰えなかった事も残念だ。



心からご冥福を祈ると共に、

暴力で思いを遂げようとする社会にしないように、

我々一人一人が心していかねばならない、と思う。