ロシアがキーウ攻略を諦め、

マリウポリなどの東部に攻撃を集中し始めて1ヶ月。

攻撃は激しさを増しているし、

避難しようとしている人達が集まっている駅にミサイルを撃ち込むなど、

ロシアの非道さも増しているが、

それでも完全占拠に今だ至っていない。


で、プーチンは再選を果たしたフランスのマクロン大統領に電話会談で、

西側がウクライナへの武器供与を止めるように訴えたらしい。

ウクライナに武器供与されなければ、

残虐行為が止められる、と。



片腹痛い、とはこういう事を言うのか。

確かに西側がウクライナへの武器供与を止めれば、

ウクライナは抵抗する術を失い、

ロシアの思惑通り、戦争に勝利できるだろう。

だがそれは残虐行為が止まったことを意味しない。

ロシアが反撃されなくなるだけの話で、

ウクライナ市民への弾圧は続くだろう。


無抵抗な一般市民の虐殺を繰り返しているプーチンの、

どの口が言っているのだ?と思ってしまう。



プーチンの思惑に反して、

西側諸国は次々と支援を表明している。


ロシアを孤立させる事などできない、

ロシアのエネルギー無しに世界は回らない、などと豪語していたが、

とうとうEUもロシアのエネルギーの輸入禁止を打ち出した。

実効性があるかはともかく、

そういう意志を見せた事は、

少しは揺さぶりになるか。


ロシアは負けたのだ。

少なくとも情報戦においては。

クリミヤ併合の時に反応の薄かった世界を見て、

ロシアは今度も行ける、と思ったのだろうし、

ウクライナは情報発信の為の準備が必要だ、と思ったのだろう。


その明確な意識の差が、

現在の事態を招いている。

イーロン・マスク氏の様な人が、

いち早く支援した事も大きいだろう。

何を喚き立てようと、

ロシアの蛮行を隠蔽しきることは、

最早不可能な世の中になっている、と、

いつになればロシアとプーチンは気づくのだろう。



この侵略は、スピードが肝だったのだ。

長引けば長引く程、ロシア国民も真実を知るようになる。

言論統制と恐怖政治で締め付けていても、

若年層の海外流出が止まらない事が、

ロシアに見切りをつける人の増加を表している。


そして国外に出よう、と思う人は、

出てもやっていける、と思う人でもある。

つまり、どこへ行っても仕事を得られる、

優秀な人材から逃げている訳だ。


これが続けば、ロシアの国力が低下するのは避けられない。

大ロシア帝国の再建を夢見て戦争を仕掛けたプーチンは、

ロシア衰退を招いた最悪の大統領であり、

他国に侵略を繰り返した最悪の戦争犯罪人、として、

歴史に刻まれる事になる。


真にロシアを愛しているのなら、

つまらないプライドの為に、

戦争を続ける愚かさをそろそろ悟って貰いたい。


プーチンとロシアがどれ程言を左右にしても、

ロシアが仕掛けた戦争が正当化されることは無い。

撤退する勇気、の無い者は、

決して仕掛けてはいけなかったのだ。