とうとうロシアのウクライナ進攻が始まったようだ。
北側ベラルーシからの軍事侵攻と、
空港施設等へのミサイル攻撃だ。
ロシアに隣接したウクライナが、
NATOに加盟したい、と言い出した事から危機感を抱き、
何とかNATO加盟を阻止しようとして動き出した事が、
今回の発端だと思われる。
元々ウクライナは旧ソ連の一部だったが、
ソ連崩壊後に独立した。
だがこの国は、ロシア人とウクライナ人が共存しており、
その為に親ロシア派と、西側に近い派とが対立を繰り返してきた。
ロシアは領土は広大だが、
北極海に面した港は冬期には凍結してしまい、
使い物にならない。
それ故、不凍港を求めて南下して、
長年、領土を拡大しようとし続けてきた。
2014年のクリミア併合もそうだし
今回の、ウクライナのドネツク州とルガンスク州の独立承認も、
ロシアに取り込む為の布石だろう。
問題を複雑にしているのは、
ウクライナ国内が1枚板では無いことだ。
そもそもロシアの進攻歓迎派と、
西側に入りたい派が、国内で争っている。
その親ロシア派の支持を根拠に、
プーチンは武力進攻を正当化している。
正当化する為に、数年前からロシアのパスポートを、
ロシア系ウクライナ国民に配りまくっていたらしい。
ロシアのパスポートを持っているのだからロシア国民だ、
そのロシア国民を守る為に軍を送るのだ、という理屈だ。
そして攻撃によって、
首都キエフを含むウクライナ全土を無力化し、
事実上、ロシアの支配下に置こうとしているのだ。
プーチンはKGBの諜報員時代に、
旧東ドイツで活動していて、
ベルリンの壁が崩壊し、
東ドイツが西ドイツに飲み込まれて行く姿を、
間近で見ていたそうだ。
それは言い換えれば、
共産主義が民主主義に打ち負かされた現実でもあったろう。
それだけに、ソ連が崩壊して、
アイデンティティにしていたイデオロギーが危機に瀕し、
何とかその中で立て直しを図っていたプーチンにとって、
盾になるはずのウクライナが西側についてしまえば、
すぐそこまで民主主義が迫ってくる、という恐怖があったのかもしれない。
この時期に進攻を開始したもう1つの理由が、
腰抜けバイデン、と見切ったからだろう。
確かにトランプなら何をするか分からない怖さがあるので、
迂闊に動けなかったかもしれない。
その上、バイデンはアフガニスタンから軍を引き、混乱させるという負の実績を作り、
昨年末にはウクライナには軍を送らない、とハッキリ明言してしまっている。
その背景には、アメリカ国民の、
もはや世界の警察ではない、という意識の変化があるのだろうし、
何故他国の為に、アメリカ国民の命を危険に晒さねばならないのだ?という、
内向き思考も関係していると思う。
ただでさえ支持率が落ちているバイデンにしてみれば、
国民の反感を買ってまで他国に干渉する必要は無い、という事なのだろう。
その上、米中が経済戦争をしている今、
ロシアに関心も無ければ、
金も軍事力も割く余裕が無い、のが本当の所だろう。
ソ連時代から見れば衰退してしまったロシアを、
もう一度大国にしたいプーチンにしてみれば、
米中が睨み合っている今こそ、
漁夫の利を追求できる好機だと思ったのかもしれない。
ウクライナに見られるような、
同国人の中で異民族が共存し、
いつ国境を超えて攻められるか分からない、という緊張感は、
アイヌや琉球王国があったとはいえ、
ほぼ単一民族で、
どことも国境を接していない、我々日本人には、
永遠に理解できないだろう。
だからといって無関心でいてはいけないと思う。
何が起きているのか、キチンと見て、
理解しようとすべきだろう。
プーチンはウクライナに関しては、
西寄りの今の政権を倒して、
傀儡政権を作りたい、というのが着地点なのだろうか。
そして西側諸国は、どこまでそれを防げるのか。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナの自治を守れるのか。
プーチンの目的がどこにあるにせよ、
今は別の国である隣国へ軍事侵攻することに、どんな正当化できる理由も無い。
だが、これを国際社会が止められるかどうかは、
今後起こり得る、中国の香港や台湾への弾圧へ対処できるかどうか、の試金石にもなる。
そしてそれができなければ、
日本への影響も避けられない。
決して他人事ではないのだ。