間もなく始まる全豪オープンへの出場を巡って、
ノバク・ジョコビッチのオーストラリア入国が、
二転三転している。
そもそも、ワクチン接種をしていないが、
「医療的義務免除」が認められた、として発給された査証が、
届けに不備があったとして豪政府から取り消され、入国を拒否された。
その後ジョコビッチ側の訴えに対し、
裁判所が査証取り消しの無効を決定し、
問題は解決したかに見えた。
ところが、入国時に書いた書類に虚偽があったことが判明し、
事態は更に複雑化した。
当初、「医療的義務免除」の根拠を、
ジョコビッチが明かさなかった事で、
非難が集中したのだが、
どうやらそれは、
12月半ばに陽性になっていたかららしい、と分かった。
陽性から回復していたのなら、
そこは問題が無くなったのだが
その時期にインタビューを受けていた事や、
入国書類に、入国前の14日間に旅はしていない、と書いていたにも拘わらず、
スペインに行っていた事が判明し、
母国、セルビアの隔離義務違反をしていた事まで明るみに出てしまった。
ジョコビッチ自身は、
自分ではなくチームが記入した、と言い訳したようだが、
最終的に本人がサインしているので、
責任がジョコビッチにあるのは明らかだ。
で、入国を許可して出場を認めるか、
強制送還するか、
担当大臣もまだ決めかねているようなのだ。
ジョコビッチサイドにとっては、
全豪オープン四連覇がかかった今大会。
何が何でも出場したい、というのは分からないでも無いが、
世界的なパンデミックで、
各国が感染者増に神経を尖らせている今、
余りにも無神経だ、と言われても仕方ないだろう。
彼がどれ程すごい選手であっても、
だからといって、
当たり前のように特別扱いを受けられると思っていたのなら、
こと、感染症対策においてはあり得ない、と
自覚すべきだろう。
むしろ人々から尊敬される存在なのだから、
より自分を律し、規範となる行動をして欲しかった。
この問題が最終的にどう決着するのかは分からないが、
出場できてもできなくても、
どうしてこんな騒動になってしまったのか、
ジョコビッチもチームもよく考えて、
同じことを繰り返さないで貰いたい。
貴方はNO.1シードの、
「ノバク・ジョコビッチ」なのだ。