韓国のソウル地裁が、

元従軍慰安婦の日本政府を訴えた裁判で、

原告の訴えを棄却する、という、

1月と真逆の判決を出した。


正直言って驚いた。


本来国家間の約束事が国内法に優先するのは、

国際法上の常識だし、

外国が主権国家を訴えられない、というのも常識なのだが、

韓国はそういう国際間の約束事を完全に無視し、

国内情勢や国民感情を優先する、

法治国家とはとても思えない事を普通にやってきた国なので。


まあ文大統領がアメリカの圧力に屈したのか、

1月の判決の後、

2015年の日韓合意は両国間の公式合意なので、

正直判決に困惑、とか発言していたので、

その趣旨に沿った判決だったのかもしれないが。



元従軍慰安婦の人達は気の毒だと思うが、

そもそも1965年の時点で、

1ドル360円の時代に、5億ドルものお金を、

戦争で迷惑をかけたから、と、

経済協力金という形で韓国に払っている。

5億円じゃないよ、

5億ドル、当時の円に換算すれば1800億円だ。


今の貨幣価値に直せば、

消費者物価指数で計算すれば4倍以上、

企業物価指数で計算しても2倍になっている。

何しろ当時の韓国の国家予算の3倍以上の大金を受け取っていた訳だ。


ところが当時軍事クーデターで政権を取ったばかりの朴正煕大統領(朴槿恵前大統領の父)は、そのお金を、従軍慰安婦や強制連行された、と主張していた人達にはびた一文使わず、

国のインフラや、自分の地盤の製鉄所建設、

金大中氏との一騎打ちになった、

次の大統領選挙などに使ったらしい。


つまりの多額の賠償金を、本来払うべき人に払わなかった訳で、

それは韓国国内の問題ではないのか?


それでも、65年当時は声をあげなかった元慰安婦達が、

80年代になって、吉田清治という文筆家が、

強制連行された被害者だった、という文章を書き、

朝日新聞がこれを大々的に取り上げた事で、

自分達は被害者なのだから賠償しろ、と騒ぎ出した。


この吉田清治の記事については、

96年に本人が捏造であったことを認めたが、

朝日新聞はダンマリを決め込んだ。


2014年になって、ひっそりと記事を取り消して謝罪したが、

既に日本軍がいたいけな少女を拐って慰安婦にした、という、

事実とは違う話が一人歩きし、

収拾がつかなくなってしまっていた。


それで、90年代にアジア女性基金が作られ、

韓国だけではなく、東南アジアで被害を受けた女性の救済に当たろうとしたが、

そこでお金を受け取った人は非難されたそうで、

自分の被害に対する補償を非難する理由が分からないが。


その後も、韓国が騒ぎ続けるので、

3度、日本政府はお金を出す。

それが2015年の日韓合意の時の10億円なのだ。

これで、慰安婦問題の、最終的かつ不可逆的な解決を、

両国が確認したはずだった。


ところが、である。

文在寅大統領は、国民感情が受け入れない、とか言い出して、

元慰安婦とその遺族に見舞金を支払う為に設立された、

和解・癒し財団を、日本に何の断りもなく、

一方的に解散させている。


国際間の合意を全く履行しようともせず、

日韓合意は政治的な合意に過ぎす、

個人の賠償請求権は消滅していない、なんていう滅茶苦茶な判決が下りたりもしていたので、

もうこの国はどうしようもないなぁ、と思っていたから、

今更、文大統領が公式合意なので困惑、なんて言い出して、

むしろこちらが困惑している(笑)。

元々弁護士だったのだから、

国際法を思い出したか。



元従軍慰安婦の人達にきちんと補償をするべきだ、というのは分かる。

その為に何度も日本は大金を供出している。

それを受け取っておいて、キチンと補償していないのは、

韓国国内の問題だし、

そもそも戦争による被害の賠償金的な性質で払われたお金を、

本来受け取るべき人に渡さずに流用したのは、

自国の大統領なのだ。



いつまでももっと寄越せ、謝罪しろ、と、

言い続けられてもねぇ。

まあ元慰安婦の人達が、皆強欲な訳ではなく、

利用されているのかなぁ、という気はする。


何しろ韓国には、挺対協という市民団体があって、

反日の急先鋒だが、

彼らは慰安婦の為に、と言いながら、

寄付や政府から集めたお金を、

慰安婦には渡さずに、

自分達が使っていた、と元慰安婦に告発されているのだ。

そして、この問題が解決してしまったら、

存在理由が無くなるので、

解決を妨害し続けていた、という話もある。



今回、真っ当な判決が下った背景には、

挺対協とそこが作った正義連の、

数々の不正が明らかになり、

以前の様な力を失った事が関係しているかもしれない。



この問題が騒がれる度に思うことがある。


従軍慰安婦、というのは、昔からあった制度で、

何もこの時だけではない。

それ自体、ふざけた制度だとは思うが、

戦地に送られ、死と隣り合わせの兵士に、

死の前に癒しを、という事だったのだろう。

そして、その為に送られた女性は韓国人だけではない。

日本人女性も多数慰安婦として送られていたはずだ。


今はソープランド、という名前になったが、

戦後暫くは遊廓が存在したし、

その後も赤線という名で継続した。

遊廓には、親に売られた女の子が大勢いて、

逃げることはできなかった。

女衒(ぜげん)と呼ばれる斡旋業者がいて、

親になにがしかのお金を渡して女の子を集め、

仲介して生計を立てていたのだ。


従軍慰安婦の中には、

そういう経緯で戦地に送られた人も大勢いただろうし、

誘拐してくる質の悪い斡旋業者もいたらしいので、

意図せず被害を受けた人も相当数いたと思われるのだ。


そういう人達に対して、

日本政府はきちんと補償したのだろうか?


事が事だけに、本人が名乗り出るのは難しいだろうが、

外地に送る場合は名簿位あっただろうし、

敗戦のどさくさで分からなくなったとしても、

有耶無耶にしていい話ではない。

何らかの救済が為されていればいいのだが。



ともあれ、この判決が今後どう動くか。

まともな判断に移行するか、

またまた反日の火種にされるか、

注視しておこうと思っている。