さすがに元検事総長ら検察OBの反対意見書が出てきて、
このまま強行はまずい、
長引いて2次補正予算案の成立が遅れたら、
益々非難が高まり、
政権維持も難しくなる、と思ったのか、
今国会での採決を見送ることにしたらしい。

国民の声が少しは届いたか、とは思うが、
これで安心してはいけない。

何故なら、「今国会での成立を諦めた。」だけで、
検察庁法の改悪を諦めた訳ではないからだ。

公務員の定年延長は、皆が支持しているから、
それと分けて、公務員の定年延長だけを成立させる事は可能だったのに、
あえて両方先送りにしたことで、
次国会に再提出し、
検察庁法を含めて通そう、とするのは目に見えている。

秋の国会で再度議論せねばならず、
その時に皆が今回を忘れてしまえば、
易々と成立されてしまうだろう。

だが、反対のエネルギーを持続するのは難しい。
今、この時期に?
支援策より検察庁法?
という怒りが支えていた部分が大きいと思われるので、
もし秋にコロナが落ち着いてきて、
日常生活に戻ることができていれば、
人々の関心が仕事や生活に向かい、
検察庁法改正?
そんな事もあったな、となりかねない。


だが、内閣に都合の良い検察上層部だけ、
定年を延長でき、権力を維持できる、というような、
法の正義も平等も危うくするような改悪は、
絶対に阻止しなければならない。


大体、経験と能力を活用し、
継続審議をする為に、延長が必要な場合もある、という論点そのものがおかしい。

元来、検察官は2、3年で異動が当たり前で、
辞令が出れば、担当していた案件は即座に後任に引き継ぎ、
次の任地に赴かねばならない。

彼らはずっとそれを繰り返してきたのだ。

逆に言えば、人が変わっても継続していけるだけの資料の製作能力と、
それを読み解いて整合性のある裁判を維持できる実務能力を要求され、
やり遂げてきていた事になる。

たとえ検事総長であったとしても、
その人でなければ不都合が起きる、と認定することは、
検察のこれまでのやり方を否定する事にもなる。

そんなことはあるはずが無いのだ。
あるはずが無い、という前提で、
短期で異動をさせてきたのだから。


むしろここからが正念場だと思う。
秋の国会で間違いなく提出されるであろう、
公務員法と検察庁法の抱き合わせ改正案を、
我々は注視し続けなければならない。

そして民意の力で、
少なくとも1度は強行採決を阻止できた事を忘れず、
廃案になるまで声を上げ続ける事が必要だ。


みんな、秋になっても忘れないでね。