相次いで大規模宴会が発覚した、
慶應大学と京都大学の研修医達。
医療に携わる者としての自覚の無さには呆れた。
しかもこの2大学は、
間違いなく日本の医学の中枢を担う最高学府なのに。

ここでもこの程度の頭、
この程度の認識なのか、と愕然としたのだが·····


今度は兵庫県警で、
既に自粛要請が出されていた3月末に、
大規模懇親会や、新任署長の歓迎会を行い、
多数の感染者を出していた事が分かった。
しかも兵庫県警は、当初その事実を隠そうとしていた。

この県のトップたる井戸知事は、
3月19日に、三連休における阪神間の往来の自粛を要請した、
大阪府の吉村知事に対して、
「大阪はいつも大げさ。」と不快感を表したお方。

当初吉村知事が、根拠となるデータを、
厚労省に非公開資料だ、と言われて示せなかった事もあるが、
京都は大丈夫なのに、何故兵庫だけ対象なんだ、と、
吉村知事が嫌がらせをしているかのような言い種で噛みついていた。

だがその後、そんな低レベルの発想からの要請では無く、
事は緊急を要していたことを、
事実が証明してしまった。


この人は2月下旬に、
県の備蓄マスク120万枚のうち100万枚を、
震災の時のお礼だ、と中国に送ってしまって、
県民の怒りを買っている。

武漢に蔓延し始めた1月下旬の時点で、
近い将来、日本にも入り大変な事になるかもしれない、という予想は、
素人の1市民である私でさえできたのに、
県民の命と安全を担保すべき知事の、
この危機感の無さは一体何なんだったのだろう。

トップがこうだから、警察も危機感が足りない、なんてのは言い訳にもならないが、
北海道の鈴木知事や吉村知事を見ていると、
トップの危機感を、間違いなく多くの市民が共有するように思える。

それだけトップの資質は大切だ、という事だが、
その人を選んだのは有権者なので、
そういう人を選んでしまった時点で、
市民にも危機感が無かった、と言えるのかもしれない。

もっとも選挙の時点でこんな事態は誰も予想できなかった訳で、
平時にはそれなりに有能だったのかもしれないから、
仕方がないけれど、
緊急事態になれば、能力や資質が否応無く炙り出されてくるから、
次の選挙の大きな判断材料になるだろう。


ともあれ、朝も夜も、公務の時間外も、
目の下に隈を作りながら、
外出の危険と自粛協力を市民に、
休業補償を国に、
TVに出て訴え続けている吉村知事、
こんなことも言っている。

「橋下さんの言葉を借りれば、
政治家は使い捨てでいいんです。」

保身と利権にしがみつく、
大半の政治家に言ってやりたい。


橋下さんは、毀誉褒貶あったし、
方向性は間違ってないが、
やり過ぎの劇薬感もあったが、
吉村さんを引っ張り出した時、
「僕よりもはるかに能力も上、人格も上、完璧です。」と言っていて、
人を見る目は確かだったんだな、と思わざるを得ない。

少なくとも大阪に吉村さんを残してくれた一事だけで、
功労者と言えるかも。

翻って兵庫県。
元々有数の中華街があり、
中国人の居住者も観光客も多い。
大都市でもあり、中国で大量発生した時点で、
最も危機感を持つべき地域の1つであったのは間違いないと思う。

なのに緊急事態宣言が自県にも出された時でさえ、
「単独であれば指定されなかったのかもしれないが、
大阪との人の交流、横断が多い地域なので、
一体に扱われるのは仕方ない。」
と、まるで撒き添え食らって迷惑、と言わんばかりのコメントをしている。

この辺り、専門家に医療崩壊を心配されて、
医療体制は十分余裕がある、事実に反し迷惑だ、と激怒して厚労省に抗議した、
愛知県の大村知事に通じる所がある。

この発言が4月4日。
で、それが影響したのかどうかは分からないが、
7日の緊急事態宣言から愛知県が外れた。
「名古屋飛ばし」がトレンド入りし、
県内外から何故だ?と非難されたら、
慌てて態度を一変させ、
愛知にも追加で緊急事態宣言を、と国に要請して、
迷惑だ、発言から僅か5日で、
県独自に緊急事態宣言を出した。

この一貫性と危機感の無さには、頭を抱える。
いや、間違っていたら翻意するのはいいのだ。
間違いを一貫して通されるのは困る。
だがこの場合、明らかに最初の判断が悪すぎる。

きちんと回りを見渡し、
状況を適切に判断し、
危機感を持って事に当たれない人は、
公的な仕事につくべきではない。

医者も、警官も、
そして勿論、政治家も。

残念な事に、
そして国民にとって極めて不幸な事に、
国のトップたる安倍首相が、
その最たる人物に思えてきて仕方ない。