3年半に渡ってもめにもめていたイギリスのEU離脱が、
遂に成立した。
とはいえ、問題はこれから。
これだけ時間をかけて纏まらなかったものが、
年末迄の一年足らずの移行期間で、
双方納得できる条件で成立するのは至難の技だ。
そもそもがイギリスが、
不当にEUの制限を受けて、
自分達だけが不利益を受けてる、
とごね出した離脱なのだから、
イギリス側は自分達に有利な提案ばかりするだろうし、
EU側は、勝手に離脱した国の言いなりになる必要は無い、とそれを拒絶するだろう。
3年半かけて合意できなかったものが、
1年たらずで互いに譲歩して話し合いが纏まる、とはとても思えないし、
そうなれば結局、合意無き離脱と同じ結果になってしまう。
離脱強硬派がどんなバラ色の未来を描いていたのか不思議だが、
少なくともイギリスは大きな市場を失う事になるだろうし、
今後ヨーロッパを市場と考えて進出してくる非ヨーロッパ企業は、
進出先にイギリスを選ばないだろう。
むしろ既に進出している企業も大陸に拠点を移し、
縮小していく方向に進むだろう。
イギリスは小さな国になってしまった、と嘆いていた離脱反対派の人がいたが、
強硬派の人達は「大英帝国」の幻想からいい加減「離脱」した方がいい。
国土は小さく、人口も7000千万足らずしかいない。
プライドと特権意識だけが強くても、
それだけでおまんまが食べられる訳ではない。
世界中に植民地があり、
そこから搾取しまくって裕福でいられた時代では無いのだ。
とはいえ、イギリスが経済的に壊滅してしまえば、
他国も何らかの悪影響を被るのは必至なので、
何とか穏やかに落とし処を見つけられればいいと思うが·····
前途は多難だ。