元旦休業を求めた東大阪市のセブンイレブン加盟店に対して、
本部が一方的に契約解消を通告し、
「合意解約」を迫ったらしい。
この加盟店は、今年2月に人手不足を理由に、
本部との合意無きまま時短営業を始め、
24時間営業とオーナーの過重労働に一石を投じた店舗である。
来年の元旦を休日にしたい、という申し出に対して、
本部の出した解答が「契約解消」。
それも一方的打ち切りとなるとマズイ、という事は分かっていたようで、
合意解約したという書類に判を押せ、と迫ったと。
この店舗の造反をきっかけに、
コンビニ各社は、24時間営業や元旦営業について検討を始め、
セブンイレブンもそうだったはずなのだが、
最初にきっかけを作ったオーナーは許しがたかったらしい。
しかも契約解消の理由がふるっている。
顧客からのクレームの質と量が多いから、だって(笑)
100歩譲って、本当にクレームがあったとしても、
この時期にこの相手にそういう対応をすれば、
世間からどう見えるか、という視点が全く無い。
大体、これ程、「働き方改革」を、
労働者にとっても迷惑な位(笑)
大号令をかけてやろうとしている時代に、
休みたいなら加盟店をやめろ、って時代錯誤も甚だしい。
元旦休みたいオーナーの為に本部から人を派遣して1日交代します、というファミリーマートの方が、
余程理に叶っている。
まあその制度を使えるのが年に1日、というのはちょっと、と思うが、
今後もう少し増えることを期待して。
大体セブンイレブンの売り上げの大半は、
加盟店の過酷な労働に支えられている、という感謝がまるでない。
前述の東大阪市の店舗でも、
24時間営業を止めても、バイトを減らせるから、
オーナーの収入自体はそれほど減っていないらしい。
勿論深夜帯の売上分は減るから、本部に入るお金は減るだろう。
要はそれが気に入らないのね、と見えてしまう。
そして多くの加盟店が右に倣え、となってしまうと困るから、
この際見せしめに切り捨ててしまおう、とでも考えた?
都市部では数十メートル置きにコンビニがある。
これ程沢山の店舗が24時間営業する必要が本当にあるのか?
地球温暖化対策を考えても、店舗数は減らした方がいい。
そしてどうしてもそんなに24時間営業がしたいのなら、
直営店だけでやればいい。
社員が交代で24時間開ければいいのだ。
もっとも直営店は全店舗の2、3%しかないらしいけど(笑)
セブンイレブン、といえば、つい最近、
パートやアルバイトの40年に渡る残業代の一部未払いが発覚したばかり。
しかも18年前に労基署に指摘され、
改善したはずなのにされていず、
それ以前の未払い分の対応もしていなかった。
こうなると過失じゃなくてわざと!?とすら思えてくる。
社長が謝罪して頭を下げているニュースも見たが、
その直後の東大阪市の店舗へのやり方を考えると、
この会社は相変わらず何の反省もなく、
加盟店と労働者から搾取する事しか考えてないんだな、と思わざるを得ない。
企業コンプライアンスをうるさく言われるこの時代に、
遵守するどころか逆行しているようにしか見えない企業体質はもはや改善不可能なのか。
これまでセブンイレブンは数々の訴訟を起こされてきたが、
大企業に甘い日本社会と法体系のお陰で、
殆ど勝訴してきた。
その驕りもあるのかもしれないが、
遅ればせながら、日本の社会も変わってきた。
少なくとも、会社の為に死ぬまで働け、という時代では無くなった。
そういう社会の風を、
一番世間に近いところにいなければならない小売り業界の雄が、
読み違え続けているとすれば、
今はコンビニ業界トップであっても先行きは暗い。
少なくとも私は、
別にセブンイレブンでなくても困らないので、
今後利用はやめよう、と思っている。
もう一度原点に帰って考えてみた方がいい。
そもそもセブンイレブンとは、
7時から11時(23時)の営業時間を表していたはず。
それを大幅に越える24時間営業を強いるのであれば、
まず幹部から深夜営業や長時間勤務を経験すればいい。
自分達ができないことを、立場の弱い加盟店に強いてはいけない。
強いた結果、オーナーが過労死や過労自殺をしても、
何の責任も取れない、
失われた命は帰ってこない、という事を、
経営者であれば自戒すべきなのだ。