三井住友銀行のCMをご覧になった事があるだろうか。
「日本ラグビーは宿澤のパスを継承する。
宿澤から森へ。
松尾へ。
そして平尾へ。
世界の壁は高く、独りの前進は小さい。
しかしその挑戦を重ねない限り、
たどり着けない未来がある。
挑戦する者たちが世界を変える。」
宿澤から森、松尾、平尾へと、パスを繋いでいく映像をバックに
語られるナレーションを聞いた時、
まず、ああ、そういえば宿澤さんは住友銀行に勤めていたなぁ、とぼんやりと思い、
それから震えた。
今のこの日本チームの快進撃は、
そうやって地道に繋がれたパスの先にあったのだ、と。
四人の名選手の半数は、
若くして既にこの世に無い。
今大会の日本の姿を、一番見たかった、
そして見せたかった人達なのに、と。
けれど、ヒゲ森さんは、
今年ラグビー協会の会長になって、
選手達のサポートをしているよ。
多分、宿澤さんの分も平尾さんの分も背負って。
貴方達の築いた道は、
間違いなく受け継がれている。
ふと、大昔に読んだ、
エースをねらえ!というテニス漫画の
言葉の1つを思い出した。
先駆者は常に捨て石だよ。
無数の捨て石になった先駆者の上に、
今の栄光がある。
それを誰よりも分かっているのは選手達だろう。
Jリーグができて、人気では大きく水を明けられた感のあるラグビー。
けれど前回の南ア撃破からの、
日本開催、代表チームの快進撃、で、
恐らくかつて無いほど、
ラグビーに関心が集まっている。
だが最近はラグビーをする子供が減っていたらしい。
厳しい練習をしたがらないし、
親も危険だから、と反対する。
名門、と言われる強豪校でなければ、
単独で15人集められず、
複数の高校の合同チームで、
大会に参加するケースも増えている、と聞く。
ブレイブ・ブロッサムズ、という名前をつけて貰った、
彼らの奮闘が身近で見える今こそ、
今後の日本ラグビーが発展していけるかどうかの正念場だろう。
桜のジャージを着たい、
彼らのようになりたい、
そう思ってくれる青少年が、
一人でも増えてくれるように、
代表チームにはもう少し、快進撃を続けて欲しいと思う。