世間では何故投げさせなかった、と非難する者がかなりいるらしい。
決勝当日に、学校に150本の電話があり、
その9割が、投げさせなかった事への抗議だったという。

何か勘違いしていないか?

学生スポーツはあくまで教育の一環のはず。
勝つためには手段を選ばない、と教える場ではない。
だからこそ、悪質タックルの日大は袋叩きに遇ったし、
正当な戦略の1つのはずの、
松井への5敬遠が、あれだけ非難されたのではないのか。

故障のリスクを考えて登板させなかった事は
褒められこそすれ、非難されるような事では無い。

何故なら、一番残念に思っているのは、
本人であり、監督であり、
大船渡の選手だからだ。
確かに甲子園で佐々木投手を見たかった、という気持ちは分かる。
私だって見たかった。


けれどそれでも、
彼の将来を思い、非難を覚悟で出さなかった監督の英断と、
「残念な気持ちはあるけれど、監督の決めた事ですから。
彼にはもっと上のステージがありますから。」
と言ったチームメイトの気持ちに、
外野が勝手な事を言うべきではない。

それに、もし佐々木が投げなければ甲子園に行けないのであれば、
そうして行っても甲子園で酷使する事になってしまい、
結局彼の未来を潰しかねない、という思いもあったかもしれない。

多くの高校球児にとっては、
甲子園はゴールかもしれない。
けれどほんの一握り、もっと先を見据える選手がいる。

大谷翔平は甲子園で消耗しなかったからこそ、
その後の活躍があったのかもしれない。
それでもメジャーに行けば故障するのだ。

一野球ファンとしては、
佐々木選手の次のステージでの活躍を期待し、応援したい。