当時私は、生まれて初めて関西を離れて、
知人の1人もいない北関東で、
長女の育児に追われる毎日だった。
だから事件そのものは知っていたが、
詳しい内容は把握できていなかったように思う。
10年後はアメリカにおり、
20年後は義父が脳梗塞で入院中で、
ゆっくりニュースを見る余裕がなかった。
今回、改めて報道を見るにつけ、
よくもこんな非道な事が行われたものだ、と愕然とする。
と同時に、その過ちを質す事ができなかった国際社会と、
言論統制等の権力の圧力で、
国民の目から事実を隠蔽し続ける中国という国に、
今更ながらに恐怖を覚える。
一党独裁の弊害は言うまでもないが、
今の中国は一党独裁から一歩進んで、
習近平の独裁国家になろうとしている。
独裁を堅持しようとする連中は、
権力を駆使して私利を貪ってきたから、
権力を失う事が怖いのだろう、と思ってしまう。
分かりやすいのが韓国の大統領。
任期終了後、大半の前大統領やその身内や側近が訴追されている。
韓国は独裁国家ではないが、
大統領の権限が独裁者並みに集中しているからだろう。
将に「権力は腐敗する」のだ。
今、習近平に権力が集中し、
いつまでもその権力を維持できる体制になってしまった中国。
過去の汚点を隠し口を封じ続けても、
起きた事は変わらない。
いや、彼らは歴史すらも都合よく改竄するから、
変えられる、と思っているのかもしれないが、
少なくとも「国家が起こした犯罪」を知っている私たちは、
事実を忘れてはいけないと思う。
国を思い、国の未来を真剣に憂いて、
国家権力に命までも踏みにじられ、
30年経ってもその思いを踏みにじられ続けている若者達を、決して忘れない。
現状では彼らの魂が安らかなる事は望むべくもないが、
せめて今後、状況が改善する事を祈りたい。