パラグアイ戦は惜しくもPK戦で負けてしまったけれど、
こういう試合を見る度に、最後の決着をPK戦でつけるのと抽選で決めるのと、どちらが残酷だろう、といつも考えてしまう。


トーナメントの場合、次に進むチームを選ばなくてはならない。

サッカーは5人ずつのPK戦を行い、5人で決まらなければ、両チーム1人ずつ蹴り続け、差がついた時点で終了する。

一方ラグビーは、試合そのものは引き分けで、次に進むチームを抽選で選ぶ、という考え方だから、キャプテン同士がクジを引いて決める。
だから普通決勝戦では抽選は行われず、両チーム優勝、という事になる。


もっとも選手たちにとっては、次に行けるか行けないかが決まる訳だから、同じ事かもしれない。

誰かの失敗による決着となるPK戦と、闘いの結果ではない抽選、
どちらの方が納得し難いのだろうか。


もう随分前になるが、高校サッカー大会で、PK戦でもなかなか決着がつかなくて、
とうとう11人目の選手、ゴールキーパー同士のPKにもつれ込んだ事があった。

1人は外し、1人は決め、勝負はそこで終わったのだが、
おそらく普段PKの練習など殆どした事がないであろうキーパーに、全てを委ねる形になってしまって、
あの外したキーパーはその後どうしているのだろう、と、ふと思い出す事がある。


勝負に運・不運はつきものだし、今大会は審判の技量不足に翻弄された試合もあった。

PK戦なんてクジみたいなモンだし、と言ってた解説者もいたし、
実際客観的にはそれに近い、と私も思う。
だが当事者にとってはとてもそうは割り切れまい。


あの試合を見ていた誰一人として、駒野の責任だと思う者はいないだろう。
120分で決着をつけられなかったのは、ピッチ上の全員の責任だし、
あれだけよく闘って得点出来なかったのだから、仕方ない、と皆が思っているに違いない。


それでも駒野本人にとっては、とてもそうは思えないだろうし、この先長く抱えて行くのだろうと思う。

それは選ばれた者の宿命なのかもしれないが、
相当にキツい話には違いない。


そこで最初の命題に戻る。

PK戦と抽選では、一体どちらが残酷だろう?


私にはいまだ結論は出ないのだが、あなたはどう思いますか?