CBCドキュメンタリー
『恥ずかしながら』
ー帰国50年"横井さん"の真実ー
「恥ずかしながら帰って参りました」
妻・美保子さんはこの言葉に
「横井は生きて帰ってきたんですから。国に対しての答えですよね。日本の国はつまらない戦争をしたもんです。私はそう思いますよ」
横井さんが生き抜くことができたのには〈人間学的・精神医学的〉見地から3つの理由があるといいます。
①比較的年長者であったこと
②素質的に要求水準が低くかったこと
③素朴な宗教心があったこと
横井さん達のような残留日本兵を戦地に縛りつけていたものは「戦陣訓」(兵隊教育)の教えがあったから。国民よりも一歩高い存在の兵士として高みを求められ、投降すること、捕虜になることは汚名であり、そのことは家族に影響が出る恐れがあった。
空から降ってきた"投降せよ"のチラシを手にし、日本が負けた事を知った。でも出ていかなかった。いつか日本が迎えに来てくれることを信じ、グアム島で生き延びる決意をしたそう。
帰国してすぐ開かれた記者会見で横井さんは「生き残った仲間とは立場を超えて(※横井さんは軍曹だった)命をつなぎ、今も自分一人ではなく、英霊と共に帰って参りました」と記者団に答えていらっしゃいます。
ドキュメンタリーが伝える真実。
私のおぼろげな記憶の塗り替えができました。