「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」(2023年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

監督:ケネス・ブラナー、出演:カイル・アレン、ケネス・ブラナー、カミーユ・コッタン。

 

ヴェネツィアの幽霊 ポアロの活躍

 

<あらすじ>

 

名探偵エルキュール・ポアロは、引退してベネチアでひっそりと暮らしていた。そこに作家のアリアドニ・オリヴァが訪ねてきて、降霊会への参加を依頼した。霊媒師のレイノルズが本物かどうか、ポアロに見極めてもらおうというのだ。ポアロは面白半分で承知した。

 

元オペラ歌手ロウィーナ・ドレイクが所有する若者の涙の屋敷に赴いたポアロは、ロウィーナが屋敷の中で娘のアリシアを亡くしており、彼女に会うためなら全財産を投げ打ってもいいと思い詰めていることを知る。レイノルズの降霊にはトリックがあったが、すぐに屋敷の中でポルターガイスト現象が起こった。

 

ポアロ自身もポルターガイスト現象で殺されそうになり、ついにレイノルズが死体となって発見された。ポアロは警察が来るまでに犯人を捜すことになった。レイノルズ殺害については、助手のふたりが怪しく身柄を拘束したが、ポアロは、アリシアの幻影を見たり、声を聴いたり、怪奇現象に悩まされていた。

 

幽霊を信じないポアロは、少女が何者なのかを探ることに。だが彼女との対話は遮られ、少女も姿を消す。さらに聴取を進めるうちに、ロウィーナの過去の秘密と、元修道院だった屋敷の過去が明らかになってくる。それ以外にも、作家のアリアドニが、自分の名声のためにポアロを利用しようとしていたことも見抜く。

 

だが、彼女は一連の事件の犯人ではなかった。事件を仕掛けたのは、ロウィーナだった。娘を溺愛する彼女は、アリシアを手放すまいと、幻覚作用のあるシャクナゲの花の蜂蜜を作り、娘に定期的に飲ませていた。幻覚により恐怖を感じ、精神が幼いままになったリシアは、母を頼って生きていたが、毒入りの蜂蜜の過剰摂取で死亡。ロウィーナはそれを隠していたのだ。

 

追い詰められたロウィーナは、娘と同じ状況で溺死した。

 

<雑感>

 

灰色の頭脳を持つ男名探偵ポアロが復活する話。原作は、アガサ・クリスティの「ハロウィーン・パーティ」。

 

ポアロがアリシアの幻覚を見た理由は、彼の紅茶にもシャクナゲの蜂蜜が入れられていたから。その昔、エディンバラにショートステイしたときに振舞われ、この作品の話をしたら「バレたかーー」みたいな笑いが起こったものだ。スコットランドでも教養のようにこの作品のことは知られていた。

 

ちなみに、毒のない種類のシャクナゲもあるそうだ。振舞われたのは毒のない蜂蜜だったはずだが、その後のオレの人生を考えると、一服盛られた可能性も否定できない。

 

☆3.4。悪くはない。でも、アメリカ的というか、英国っぽさが全然ない。