「ラストエンペラー」(1987年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ベルナルド・ベルトルッチ監督によるアメリカの歴史映画。出演はジョン・ローン、ジョーン・チェン、ピーター・オトゥール。

 

 

<あらすじ>

 

まだ幼い愛心覚羅溥儀は、皇帝である父の死を知らされると皇帝として即位することとなり、紫禁城で慣れない生活を始めることになった。西洋列強が東アジアに進出しており、溥儀は共和制のことを学ぶと自分の立場に自信が持てなくなる。さらに、幼い彼の周囲には、彼を利用しようという人間が集まり、彼はますます孤独を深めるのだった。

 

成長した彼は、紫禁城の体制を改革しようと試みるも失敗、体制は崩壊して日本大使館へと逃げ込んだ。満州の皇帝となった彼だったが、満州は日本の影響が強く、とても皇帝と呼べるような権力は持たせてもらえない。しかしその日本も戦争に敗北し、溥儀は頼るべきものをすべて失った。

 

ソ連の捕虜生活を経て、溥儀は庭師として穏やかな生活を営む。そしてかつて支配していた紫禁城で、幼いころに隠したコオロギの入った箱を探し当てる。

 

<雑感>

 

この映画のサウンドトラックにより、坂本龍一がアカデミー賞を受賞した。そんな経緯もあって日本でも話題作として公開されたが、愛心覚羅溥儀の人物像については賛否が渦巻き、作品はアメリカほどには評価を受けなかった。オレもなんかちょっとおかしいという気持ちだった。

 

日本に利用されたのはその通りであろうが、彼の立場では日本を頼らなければ斬首の可能性もあっただろうに。アメリカ人が作ったものだなぁという感想だった。当時はまだ中国共産党の息のかかった作品だとの認識はなかった。

 

☆3.0。甘粕の自殺の原因も納得できなかったなぁ。