「崖上の悪魔」(2021年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

サム・バッタチャルジー監督によるイギリスのスリラー映画。出演はプリヤーンシュ・チャタジー、スダンシュ・デュベ、ニャラ・バナジー。

 

 

<あらすじ>

 

超能力を使って事件を解決に導く探偵バルン・ライは、新婚のスミリとハルメッシュ・バナルジーが買った新居で起こる怪奇現象の解決を依頼された。数々の怪事件を超能力で解決してきた彼だったが、この問題には家に巣食う悪魔の影響があった。

 

ついに夫ハルメッシュが殺され、容疑者のブライアンが逮捕されるが、彼には悪魔が憑依しており、警官の取り調べで怪奇現象が頻発した。急ぎバルン・ライが呼び出されるが、警官の前ではブライアンは泣いているばかりであり、とても凶悪犯には見えない。

 

ライは、家の由来から調べていき、最初の事件に着目した。1978年、家は新婚夫妻により買われた。ある日、妻のポリーは夫の浮気を目撃してショックのあまり家を飛び出す。その際、追いかけてきた夫と揉み合いになり、崖下へ転落したのだった。ポリーは呪詛の言葉を多く残しており、悪霊の正体は彼女で間違いなかった。

 

ライは彼女の魂を弔おうと教会に相談を持ち掛けた。教会は協力を約束し、独自の判断でポリーの魂が妻のスミリの身体を乗っ取ろうとしていると考え、スミリを救出しなければと動き始めた。

 

教会はお祓いをしたものの失敗。だらにブライアンが脱走してスミリを襲った。ブライアンに襲われたスミリにポリーが憑依。ブライアンを殺して屋根裏に逃げ込む。ポール神父らとライが彼女を追い詰めるものの、悪魔は手ごわく、ポールは自分を犠牲にしてスミリを助けた。

 

<雑感>

 

原題は「Barun Rai and the House on the Cliff」。情報のない作品だったので若干詳しくあらすじを書いておいた。あくまで若干である。内容が丸わかりになるような書き方はしていないはずだ。

 

この作品は、イギリスの劇場公開作だが、インド移民が中心になって作った作品で、主要登場人物はインド系、スミリもインドからの移民だ。低予算でスクリーン数も少なかったので、イギリスのメインストリームの映画というわけではない。

 

技術的にはお粗末。ただ、低予算映画を乱造する会社が作ったものと違い、作りたい作品の意図はしっかりしている。映像よりも、ライの能力を上手くいかせていない脚本の方が問題だ。「シックスセンス」のようなことをやりたいのなら、ライの能力で解決させないと。最後はエクソシストになってしまっている。

 

☆2.5。残念な作品ではあるが、イギリスのインド系が真面目に映画をやりたがっているのはわかるので好感は持てる。