「太陽」(2016年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

入江悠監督による日本のSF映画。出演は神木隆之介、門脇麦、古川雄輝。

 

 

<あらすじ>

 

21世紀初頭、未知のウイルスにより人類の大半は死滅した。生き残った人類は、夜にしか生きられない新人類「ノクス」と、昼に生きる旧人類「キュリオ」に分かれた。知能が高く身体的にも優れた「ノクス」は、豊かな暮らしを享受し、劣った「キュリオ」は貧しい暮らしを余儀なくされた。

 

田園地帯に閉じ込められ、過酷な労働を強いられた「キュリオ」でも、若年層で抽選に当たった人間のみ手術により「ノクス」に進化することはできた。だが、それはほんの一部の人間だけだった。双方の居住区は厳重に区切られていた。

 

キュリオの青年奥寺克哉は、四国でキュリオが反乱を起こして自治区を作り上げ、豊かに暮らしているとの噂を聞いた。ノクスの警備員を殺害した彼は、その自治区に向かう。克哉の脱走により彼の村は制裁を受け、さらに貧しくなった。それから10年後のこと・・・。

 

村に住む生田結は、悲惨な村の惨状をどうにかしようともがいていた。そんなおり、ノクスの経済制裁が解除され、閉ざされていたゲートが開いた。克哉の甥・奥寺鉄彦は、再開されたノクス変換手術の抽選に応募した。

 

そこにノクスになった生田結の母・玲子が息子に会うために戻ってきた。彼女は息子を捨てて村を出ていったため、結は彼女にもノクスにも興味を示さなかった。そこに10年ぶりに奥寺克哉の仲間が四国から戻ってくる。四国にあったのは理想郷とは程遠い、暴力が支配する地獄だった。結の父・草一は、話を聞いて息子をノクス変換志願に応募した。

 

そして、奥寺克哉が村にに戻ってきた。彼は無茶苦茶な人間で、四国でやっていたように暴力で村を支配しようとした。だが、10年もの間苦しめられた村人は彼を許さなかった。克哉はリンチに遭って死んだ。そして結はノクスになった。

 

<雑感>

 

物語の早い段階でいろいろ設定が明かされる。それを見る限りかなり面白そうかなと期待するのだが、その期待に応えてはくれないんだな。魅力的な設定を生かすだけの脚本力とか、映像制作能力がない。予算もないのだろうが、それは言い訳である。

 

そして最後にはガッカリするのだ。

 

この作品も、設定は魅力的だが、ノクスのセレブな生活を描写できない、演出できない。キュリオのことも描けない、最後は稚拙な社会批判、これではどうしようもない。

 

☆2.8。演出できないなら撮るなと言いたい。