「カビリア」(1914年作品)感想 | 深層昭和帯

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ジョヴァンニ・パストローネ監督によるイタリアの大叙事詩映画。出演はリディア・クァランテ、ウンベルト・モッツァート、バルトロメオ・パガーノ。

 

 

<あらすじ>

 

美しい娘カビリア・バットーは、噴火の影響で家族と離れ、海賊に捕らえられると大僧正カルタロに奴隷として売られた。バットー家の当主は、家宝を差し出す条件で、ローマの軍人フルヴィウスに娘の救出を依頼した。

 

フルヴィウスはカルタロの屋敷からカビリアを救出するが、カビリアとフルヴィウスの従者マチステはヌミディアの王子マシニッサとハンニバルの弟の娘娘ソフォニスバが密会している場面に紛れ込んでしまい、彼らに捕らえられた。こうしてカビリアは、ソフォニスバの奴隷になった。

 

フルヴィウスは軍に戻り、カプアを攻め立てるが、アルキメデス発明の反射器によって船が炎上、流れ着いたところを指輪を見たバットーの家臣によって館に運び込まれた。そこで自らの役割を思い出したフルヴィウスは、従者マチステを救出、砂漠に逃れる。そこでまたしてもギリシア軍に捕まり幽閉されてしまった。

 

しかし何とか脱出し、その勢いでソフォニスバを毒殺してカビリアを救出。彼女を家族の元へ送り届けるのだった。

 

<雑感>

 

古いサイレント映画で、話の詳細がわかりにくい。あらすじはほぼ書き写したもの。字幕とは名前の表記が少し違う。ピアノの伴奏が全編についていて、後は字幕の情報だけなので、カプア包囲戦のことなどに詳しくないと背景がわからない。

 

細かいことを気にせずに視聴していたのだが、古いサイレント映画の大作ならではの巨大セットで繰り広げられる大スペクタクルは見もの。イタリア映画でこれほど大掛かりな作品を見たことない。のちにハリウッド映画にはこういう作品が増えてくるが、その何十年も前にイタリアで作られていたと知って驚いた。

 

☆5.0。記述したように世界史の知識がないと背景がわかりにくいのだが、見ておいて損はない大作であった。