「シン・ゴジラ:オルソ」(2023年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

総監督:庵野秀明、監督:樋口真嗣。出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ。

 

 

<あらすじ>

 

東京湾近海で謎の事故が相次ぎ、大型の生物の疑いがあることから政府は臨時に専門家を招集した。内閣官房副長官の矢口のところにアメリカから派遣されてきたカヨコ・アン・パタースンは、ゴジラという未知の生物の可能性を示唆。特別チームとともにその生態を調べることになった。

 

ゴジラは出現したかと思えばまた海に戻るなどの行動を取り、2度目に姿を現したときには2倍の大きさに成長していた。自衛隊による攻撃をもろともしないゴジラは、さらに口から熱線を発して東京を灰燼に帰した。矢口らは一刻も早くゴジラを倒す手段を確立する必要に迫られた。

 

多国籍軍による核攻撃が決定され、何とかそれを避けたい日本政府は、ゴジラの身体を凍結させるヤシオリ作戦を考案。多国籍軍による攻撃を遅らせ、独自のゴジラ討伐法を模索する。日本が独自に使用できるすべてのものを動員し、ゴジラを足止めさせる。そして血液凝固剤を体内に注入。完全にゴジラの動きを封じたのだった。

 

<雑感>

 

アマゾンプライムに「シン・ゴジラ」のモノクロ版があったので視聴した。それで過去の感想記事を調べてみると、「シン・ゴジラ」の記事は2本あったのだが、そのどちらもあらすじがなかったので、「シン・ゴジラ:オルソ」に追加しておくことになった。

 

この作品は公開時に劇場で鑑賞したのだが、当時は日本でゴジラ映画を作っていなかったので、なんとしても成功してほしくて、悪い部分はあまり指摘しなかった。本当は石原さとみの演技など大いに不満はあったのだが、変に叩いてまたゴジラを作れなくなったらどうしようと恐れたわけだ。

 

いまは日本のコンテンツの面白さが海外に認知され始め、日本には日本のゴジラの作り方があると知らしめられたので、少しは安心して悪口を書けるような状況になっている。

 

個人的に早口の科白などはまったく気にならないのだが、この作品(カラー版)は映像がそれほど良くない。空は灰色だし、群衆シーンの撮り方が下手糞だ。ゴジラの造形も実は好きじゃない。特にしっぽの描き方は大いに不満があった。もっと一般映画らしい内容と絶望感を(内心では)期待していたので、若干肩透かしであったのだ。

 

そういう気持ちをぐっとこらえて感想記事では褒めたたえておいた。その甲斐もあって「ゴジラ-1.0」が製作された。いや、ウソです。オレはまったく関係ありませんが、「ゴジラ-1.0」は「シン・ゴジラ」の不満点をすべて改善してくれた。

 

☆3.9。これが本当のオレの評価。同年に公開された「君の名は。」には遠く及ばない。