「ラインの処女号」(1953年作品)感想 | 深層昭和帯

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ジル・グランジェ監督によるフランスの犯罪映画。出演はジャン・ギャバン、エリナ・ラブルデット、ナディア・グレイ。

 

 

<あらすじ>

 

戦死したと思われていたジャックだったが、彼は無実の罪でポーランドに送られ服役していた。その間に妻ジュヌヴェーヴはジャックの船会社を愛人のモーリスとともに乗っ取っていた。ある日復讐を誓うジャックが現れ、二人はジャックを亡き者にしようと躍起になる。

 

決定的な証拠を掴んだジャックは、モーリスを追い詰める。ジャックは森の中へと消えたが、モーリスはこのときに銃殺されてしまった。

 

これにより会社の経営権は確保したものの警察に追われることになった。ところが、後ろめたさのあるジュヌヴェーヴや、ジャックの信奉者の秘書はジャックに有利な証言しかしない。捜査は行き詰ってしまう。ジャックもモーリスを撃ったことは認めない。

 

ジャックは身の潔白を証明するために、事件関係者の3人の女性から話を聞く。モーリスは彼自身が所持していた銃で撃たれていたが、凶器は見つかっていない。

 

翌朝のこと、ラインの処女号が勝手に出港した。そこにはジャックから奪った金と外貨が積まれているはずだった。ジャックらは急いで警察に連絡する。犯人を追うジャックと警察。犯人は、ラインの処女号の船員だった。彼は自分と同じ立場だと思っていたジャックが会社の社長と知り嫉妬に狂っていたのだった。彼は警察に追い込まれて転落死した。

 

<雑感>

 

若干マリリン・モンローに似ていなくもないナディア・グレイがヒロイン。エリナ・ラブルデットは秘書役かな。容疑者はこのふたりとジャックの元妻ジュヌヴェーヴだったが、犯人はその前からヤケクソな行動の多かった男だった。

 

モーリス殺害が事件の肝になっていて、ジャックが去ったのちに犯人の男がモーリスの拳銃を奪って撃っていることから、犯人がジャックの後をつけていたのがわかる。彼はヒロインを強姦しようとしてジャックに諫められたこともあった。

 

☆4.0。「女性は裏切って当たり前、女性なんてそんなもの」という価値観がフランス的である。