「婦人代議士アンジェリーナ」(1947年作品)感想 | 深層昭和帯

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ルイジ・ザンパ監督によるイタリアのドラマ映画。出演はアンナ・マニャーニ、ナンド・ブルーノ、アヴェ・ニンチ。

 

 

<あらすじ>

 

アンジェリーナの家は子だくさんで貧乏だった。彼女だけでなく、イタリア中が貧乏していた。怒った彼女らは、暴動を起こしてパスタを強奪した。これには警察も対応に苦慮するが、さらに洪水が起こったことでアンジェリーナの一家はもっと苦慮していた。生活が立ち行かなくなったのだ。

 

女性たちは生活の苦しさを訴えるために、弁の立つアンジェリーナを国会に送り込む。慣れない場所で悪戦苦闘するアンジェリーナだったが、母が議員になったことで、子供たちが横暴な振る舞いをするようになり、庶民たちはアンジェリーナを罵り始めた。

 

アンジェリーナは警察に逆らったことで、懲役3年の判決を受ける。

 

出所してみると、子供たちや住民が彼女を迎えに来てくれた。アンジェリーナが議員活動してきたことが報われ、住民は団地に入居でいたのだ。住民は彼女を継ぎも議員にしようとするが、彼女は家族を選び、出馬はしないと宣言した。

 

<雑感>

 

この作品は、庶民の政治に対する思い違いが詰め込まれた内容になっていて、なかなか鋭い作品じゃないかな。まず、無能扱いしている政治家が、実際に会ってみると専門家ばかりで優秀であること。立法府での活動成果は何年も経たないと成果が目に見えてこないこと。

 

議員の家族は甘やかされて道を踏み外しがちであること。住民の訴えは、かなり努力すれば政治に反映されることなど。アンジェリーナは、警官である夫が自分の元を去ろうとしていることや、家族のことを考えて別の優秀な人物に道を譲ってしまうが、これは時代的な考えではなく、この作品のアンジェリーナがそういう決断をしたというだけだろう。

 

☆5.0。それにしてもイタリア人はやかましい。