「乗馬練習場」(1950年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

イヴ・アングレ監督によるフランスのサスペンス映画。出演はベルナール・ブリエ、シモーヌ・シニョレ、ジャヌ・マルカン。

 

 

<あらすじ>

 

ロバートとドラの夫妻は、乗馬場を経営しながら幸せに暮らしていた。そのドラが事故に遭い、瀕死の状態で入院した。ロバートは回想する。彼は事故の直前に破産し、乗馬場を抵当に入れられていた。ドラは実家に帰ると夫に宣告していた。

 

病室のドラの母親がやってきた。ドラは気力を振り絞って母に向かい「夫に真実を話してやって」と口にした。ドラは、ロバートを愛していなかった。目当ては財産だったのだ。母娘は、気前よくプレゼントを贈ってくるたびにロバートを笑いものにしていた。

 

ドラは、ロバートの気を引きながら別の男と浮気していた。そして、ロバートの乗馬場が破産した原因は経営に口を出すドラの散財だった。結婚してからは、客の男であろうとなかろうと気に入れば寝ていたので、上品な客からはアバズレ呼ばわりされていた。

 

事故に遭った日、彼女は別の男と駆け落ちしようとしていた。すべてを知ったロバートは、ドラへの愛情を一瞬で失った。ドラは手術をして一命をとりとめたが、全身まひが残って車椅子生活になると言われた。そしてロバートは、そんな娘を母に預け、去っていった。

 

<雑感>

 

ドラと母親の笑い声があまりに下品すぎてロバートが気の毒になる。ドラの浮気相手は顔の良い男ばかりで、ドラは金のことは片時も忘れないように気を付けながらも、男の気を引こうとする。だがその男たちはドラの下品さに気づいて彼女の元を去っていく。

 

最後まで気づかなかったのはロバートだけなのだ。ここまでされると精神を病むレベルだ。ドラのせいで、せっかく作り上げた乗馬場も奪われてしまう。

 

☆4.0。最後に全身麻痺になり、唯一の武器である美貌を失ったドラを捨てる展開は昨今ではなかなかないものだが、母娘があまりにも酷い人間なのでスカッとして終わる。