ドメ・カルコスキ監督によるアメリカのドラマ映画。出演はニコラス・ホルト、リリー・コリンズ、コルム・ミーニイ。
<あらすじ>
ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンは貧しいながらも幸せに育っていたが、12歳で頼みの母が亡くなり、12歳で孤児となった。後見人を得て、学校に通えるようになったものの、そこは上流子息が通う学校で、貧しい絵の出のトールキンは孤立を深めることになった。
それでも3人の友人を得たトールキンは、彼らとグループを作って芸術活動に邁進する。一浪してオックスフォード大学に合格した彼は、その後も奨学金を打ち切られ、初恋の人に去られ、苦難の日々を送る。そんな彼を支えてくれたのは、高校時代の3人の友人だった。
言語学で頭角を現し始めた矢先のこと、第1次世界大戦への参戦が決まり、トールキンらも戦争に駆り出される。3人の友人のうち2名が戦死。トールキンも瀕死の重傷を負うものの一命をとりとめ、戦後、大学教授として働き始める。
初恋の人と再会し、結婚した彼は4児に恵まれる。執筆活動も行い、傑作「指輪物語」が完成した。
<雑感>
トールキンがご多分に漏れずとんだ差別主義者と知ったとき、心底失望したものだ。いまとなっては、息を吐くように差別するイギリス人が東洋人を差別しないはずがないとわかるのだが、昔はオレもピュアだったのだ。知的な人は差別しないと思っていた。
白人以外を怪物として描いたトールキンの、白人であることの本質には触れていない伝記映画。内容に乏しいので、劇としてもっさりしており、冗長に感じる。人物の本質に斬り込んでいるとも思えない。ごく普通の伝記映画といったところだ。
☆3.5。トールキンを知らない人には、入門編としていいのではなかろうか?