「彩られし女性」(1934年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

リチャード・ボレスラウスキ監督によるアメリカのドラマ映画。出演はグレタ・ガルボ、ハーバート・マーシャル、ジョージ・ブレント。

 

 

<あらすじ>

 

美しいカトリンは、医師である父コーバーの弟子に当たる英国人ウォルター・フェインの求婚を受け入れて、彼の香港赴任についていくことになった。ウォルターは真面目な男で仕事熱心なあまり家庭を顧みることが少なく、カトリンは寂しさ紛れに英国人が集うクラブに出入りするようになった。

 

カトリンは、総領事館で働くジャック・タウンセンドと恋仲になった。悩んだウォルターは、ジャックに対して結婚する気があるなら妻と別れるが、その気がないなら別れてほしいと話した。ジャックには結婚の気持ちなどなく、ウォルターはカトリンを連れて中国の奥地へと再赴任した。

 

カトリンの心はすでに夫から離れていた。それに気づいたウォルターは、彼女を諦めて香港に帰らせようとした。中国の奥地で流行する疫病対策のため、ウォルターは村の焼き払いを進言した。激怒した住民は、ウォルターを襲撃して殺そうとした。

 

何とか逃げ延びたウォルターは、気を失ってしまったが、目が覚めたとき、目の前にいたのはカトリンだった。

 

<雑感>

 

カトリンは妹が先に結婚して、何となく焦りが生まれて結婚している。最初から結婚に乗り気だったわけではない。おまけになれないアジアへの赴任で気が滅入ってしまい、不実に走る。それが翻意するわけだが、きっかけは修道院での活動。宗教的な変節なのだ。

 

宗教を通じて、夫が何をやろうとしているのか理解したといったところか。現地民が反乱を起こしたのは、この作品だと「宗教が違うから」になってしまう。戦前の作品はかくも宗教が根深く絡んできている。アメリカ人もイギリス人も、行動規範の中に宗教が強く反映しており、宗教が違う人間への理解に乏しい。

 

☆3.5。日本人としては、アメリカ人が意図したテーマとは違う部分が気になる作品であった。